広島のにおいと月例報告
2017/08/22
2月が終わった。3月になった。3月と言えばもちろんわたくしの誕生日である。3月29日、自称"みにくい(醜い)"日である。こう言うとみんな覚えてくれるので、たぶんみんな覚えてくれていて沢山のプレゼントを頂けるのだと思う。いや、くれ。
しかしこのヒロシマには友達が絶無なので、誕生日会などというオツなものの予定はない。無い! ただただ生物学的にひとつ歳が増えるだけである。
それはともかく珍しくアップした画像は2月のカレンダーである。で、内訳は下記の通り。
【2月】
絵画制作時間:19.5時間
ランニング:5回
2013絵画制作時間合計:80.75時間
い、いや、ひ、引越しとか、ペシミスティックな夜な夜なとか、い、いろいろ、い、忙しかったから……。なんて言い訳をするのは三流の証拠である。
三月、ぼくの誕生月(しつこくアピール)、いいかげん落ち着いてきたし、トーキョーワンダーウォールの開催日程も発表されたし、今月はがんばりたい、と思う(希望)。
閑話休題。
広島に帰ってから、出会う人々にちょくちょく言われることがある。曰く、「広島のにおいがしない」。
さらに突っ込んで話すと、あー、東京な気がするだとか、もっと、垢抜けている、なんていうアナクロ(時代遅れ)な言葉さえも耳にするのである。
ぼくはといえば、ああ、いやあ、とかなんとかをもごもご言ってニヤニヤして自尊心をそそり立たせている次第であるが、しかし、広島のにおいとはいったいなんぞや。
そう考えて、周囲をあらためて眺め回してみた。すると、服装の傾向もしくは街の雰囲気というものが見えてきた、気がする。
ひとことで言えば灰色である。どうもパッとしない。女の子はともかく、男に限って言えば、なんだかよくわからないがほぼすべての人々がストリート系の服で、と言えば聞こえはよいが、ぼくから見れば単に薄汚い服装の男が異常に多い。
なんでそんな擦り切れてミトコンドリアっぽい色のジーパンだとか、よくわかんねえロゴがじゃかじゃか入ったパーカーだとか、なんとも言えず不潔感ただようジャケットだとかを着ているのか。きっと自分で買ったのだろうけれど、いったい、何がどうよくてそれを選んだのか。理解に苦しむ。というか、理解する気なんてないが。
じゃあおまえはいったいどうなんだと言われそうだが、完全に勝ったと、どや感たっぷりに思う。服装に勝ったもくそもないし、一地方都市の広島なんぞで勝ったところでなんの意味もないのだが、鶏口となるも牛後となるなかれというではないか、とにかくは勝ったのだ。
というわけで、毎日の通勤電車、そして街を歩くとき、わたくしの心はパリコレだかプレタポルテだかコレクションだか、とにかくはそういう横文字な感じで意気揚々、どいつもこいつもクソみたいな奴ばっかりだな! だめだめだめだめ、おまえらぜんッぜんダメ! 人間やめちまえ! なんていう不遜な心で生きているのである。が、このままでは自分の精神のゆく末が心配ではある。というか、いかにも勢いよく書いたがつまるところ空虚である。
広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。
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