高尚なことが書きたい

  2017/08/22

だいたいそう思っている。なにか、人様が読んで、新宅って頭いいよな、新宅さんっていろいろ考えてるのね素敵、ともにいいこと言うわー、こいつはすげーわー、文章うまいわー、才能あるわー、というか全部ひっくるめてとんでもなくクレイジーでグレイトな人間すぎて恐れ入りました、とか、とか、エトセトラ。とにかくは賞賛。

そのように思われたい。人に一目置かれたい。そう思う。そう思っているにも関わらずよくあんなにクソのことを書くなあという向きもあろうがそれらもすべて含めてのわたしの素晴らしさである。それは他人にぼくのことを理解してほしいという願いでもあるが、しかし同時に拒絶でもある。

自分はこれこれこういう者ですと名乗り説明することによって、必定、対立する者が現れる。それは、人間に限らず、モノでも同じである。

たとえば台所。「拙者は包丁である!野菜、肉、豆腐、こんにゃく、ときとして人間なども、とにかくは切り裂くのである!よろしく!」と名乗りを上げると、「吾輩はまな板である。日々吾輩の上でさまざまなものが切り刻まれてゆく。吾輩は絶対に切らないし切れないが、しかし終始切られ続けている。そういう哲学的存在である!」と、このように対立する存在が必ず現れるのである、って、ここまで書いて、いったいおまえはなんのたとえ話をしているのかと、自分でもわからなくなってきた。

なんか最近、自分のブログへの信頼度が右肩上がりでとどまることを知らない。まさにわたしが望んでいたわたし自身の説明書が出来上がりつつあるような気がする。それは記事の件数の増加とともに、つまり月日の経過に比例して、さらにわたしという人間のディティールをえぐり出していくだろう。だからして、もしも用件があるのなら、まずはわたしのブログを読んでからにしてもらおうか、というような。それで素晴らしい人間だと思えたならまた来なさい、とも、思う。

というか、大人になればなるほど、自分のことを説明するのが面倒くさくなってきた。特に男性については、基本的に説明する気がほとんどゼロである。いまさら親友などできるわけもないし、作る気もないし、少なくとも現時点でぼくと友達で居てくれる数人と、静かに友人歴を重ねていければそれでよい。

しかし女性についてもなんだか面倒くさくなってきた。自分のことをほとんどすっかり理解してくれていたような女性のことを思うと、いきおい、初対面でも勝手におれのことわかってますよね的な感じで話してしまう。そしてやっぱり、詳しくはブログで、というようなことになってしまう。

しかししかし、それは別に人だけじゃないと思う。歳を取ると、趣味でもなんでもいいが、ゼロから始めるということが億劫になるのである。億劫だから、結局、いままでやってきたことをなぞって、自分の立ち位置を守って、それで、なんとなく、ぼちぼち、可もなく不可もなく、流れるように生きて、流れ落ちるように死んでゆくのだと思う。

そんな人生くだらねえぜ! というほど熱血でもないし、それはそれでひとつの生き方でいいと思うのだが、しかし、いくつになってもチャレンジですよ! 元気もりもりですよ! と、白寿を迎えるような老人のようなことを言ってみる。言ってはみるものの、確かに、30も過ぎれば、ゼロからというのはすごくしんどいことであるなあと、しみじみと思ふ。どうでもいいが昨日のブログも思ふで終わった気がする、と思ふ。

新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

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