ある日突然、文明開化
2015/07/03
また東京で働く! おれ、がんばる!
ただそんな意識だけで、急に向上心が盛り上がっている。
とにもかくにも、人に勝たねばならない、という意識。いやもちろん、人生を賭けられる藝術にはそういう高い意識は捨てるほどあるが、メシの種としか思っていないWebについては、正直なところ、死ぬまで食いっぱぐれずやり過ごせればいいという程度の意識しかない。
そんな低意識が、急に目覚めたのである。
今まではブラウザ依存のブックマーク機能しか使ったことがなく、パソコンを買い替えるたびに全ブックマークを消滅させていた人間が、心機一転はてなブックマークを始めて気になる記事をブックマークしまくり、Ever Noteを導入してメモを書きまくり(本当はもっといろいろできるのだろうが、メモくらいしか使い方がわからないorz とりあえず、間違って閉じても内容が保存されているテキストエディタとしてこのブログの下書きに使います)、それからWebデザイナーとしての能力を伸ばすべくHTML5/CSS3は当然として、苦手なjQueryなんかも勉強。すると、それにともなって知らないことが噴出してきた。
SAAS/compass、node.js、EMMET、Twitter BootStrap……。なんですかそれは。全然知りません。初めて聞きました。というか、どれを使えばいいんですか。なにをどうすればいいんですか。ぼくはいったい今まで何をやってきたんですか。毎日冗談抜きでYahoo!ニュースしか見ていませんでした。老人のパソコンライフと大差ありません。そんなこんなで、とりあえずはぼくがWebデザイナーとして落ちこぼれだということだけはよくわかった。
だって、ここだけの話、新しいことがどんどん出てきて、それを追いかけるって、性に合わないんですよ。ぼくはずうっと死ぬまで同じことを毎日正確に淡々とやっていたいんです。9時に出社したら18時00分00秒に帰りたいんです。8時間以上働くなんてありえないんです。
それにですね、流行追ってる奴って、かっこ悪いし馬鹿丸出しじゃないですか? 今年の流行色?ハァ? それって国際流行色委員会っつう団体が2年前に決めてるって知ってる? 言っとくけどおれは色彩検定3級持ってんだからな!テストでこの問題が出るんだよ!ああそうさ、豆知識だよ! とにかく流行色なんて関係ないんだよ!
それはともかく、調べていけばいくほど知らないことが増えていき、いまは迷宮のど真ん中である。とりあえず週明けからは、重くてしょっちゅう落ちるDREAM WEAVERを捨てて、Sublime Textに乗り換えEMMETを導入してスピードアップだ! とか考えている。
いまさらながら、Webってすげぇ〜と思う。それはもう、つくづく。知ろうという気さえあれば、いくらでも知ることができる。いくらでも情報が出てくる。
昔、ギリシャの王様が、世界中の書物をすべて収めた図書館を作ろうとしたという。それで、その街に停泊する商船から、本という本を没収した。そうして夢見たのは、人類の全ての知を集結させた空間だった。
図書館ではないが、確かにここにすべてがあるよなあ、という気はする。もちろんWebからこぼれている世界のほうが圧倒的に多いことはわかってはいるが、重要なのは、すべてがこのネットの世界にあるような”気がする”ということ。
気がするだけでも空恐ろしいことで、とんでもない世界が生み出されたものだと思う。
広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。
ご支援のお願い
もし当ブログになんらかの価値を感じていただけましたら、以下のいずれかの方法でご支援いただけますと幸いです。
Amazonギフト券で支援する
→送信先 info@tomonishintaku.com
ブログ一覧
-
ブログ「むろん、どこにも行きたくない。」
2007年より開始。実体験に基づいたノンフィクション的なエッセイを執筆。アクセス数も途切れず年々微増。不定期更新。
-
英語日記ブログ「Really Diary」
2019年より開始。もともと英語の勉強のために始めたが、今ではすっかり純粋な日記。呆れるほど普通の内容なので、新宅に興味がない人は読んで一切おもしろくない。
-
音声ブログ「まだ、死んでない。」
2020年より開始。ロスのホームレスとのアートプロジェクトでYouTubeに動画をアップしたところ、知人にトークが面白いと言われたことをきっかけにスタート。その後、死ぬまで毎日更新することとし、コンテンツ自体を現代アートとして継続中。
-
読書記録
2011年より開始。過去十年以上、幅広いジャンルの書籍を年間100冊以上読んでおり、読書家であることをアピールするために記録している。各記事は、自分のための備忘録程度の薄い内容。WEB関連の読書は合同会社シンタクのブログで記録中。
- 前の記事
- ARTDISFOR(アートディスフォー)という青春
- 次の記事
- 歳を取り、光陰矢の如しを思い知る