我が断酒の記録

  2017/08/22

2014年11月22日、ぼくは酒をやめた。


酒に溺れ、酒に浮かれ、酒にまつわるよもやま話ならば腐るほどもあるぼくが、まさか酒のない人生なんて考えることもできなかったぼくが、なんと、酒をやめたのである。


これは、その完全断酒に至る道のりをつづったノンフィクションである。


2014年11月23日
【断酒1日目】
昨日は朝からとんでもなくだるく、昼頃には尋常ではない吐き気に襲われ、弁当も半分食べるのが精一杯であった。
が、今日は酒を飲まずに早寝したおかげだろう、体調がまあまあよい。少なくとも、口をきくのがそれほどだるくないし、太陽の光に鬱陶しさも感じない。


2014年11月24日
【断酒2日目】
昨日は近所の温泉に行き、24時ごろ就寝。5時起床。
朝早いうえに睡眠時間も短めだが、それほど辛くもない。若干だるいが、言うほどでもない。食欲もあり、山盛りのキャベツの千切り、ご飯二杯など食べる。


2014年11月25日
【断酒3日目】
わかりやすく身体が軽い。ふつうの人はいつもこのような体調で生活しているのだなとしみじみと思う。そう、酒とは、アルコールとは毒なのである。とにかくは体調がよいので、昼間は延々と絵を描き、夜はひさびさに料理をする。


カボチャのポタージュスープ、さばのソテーのキノコあんかけ、カキとブロッコリーのグラタン、デビルドエッグ、ピーマンの肉詰め、サフランライス(土鍋で炊いた)、ポークビーンズ、など。


前回、これほどまともに料理したのはいつだったか思い出せないほどだが、腕が落ちたという感じもなくほっとする。


それぞれの料理をきれいに盛り付けて並べ、発泡酒(濃い味)をあける。凍らせているグラスに注いでぐいっとあおる。うむ、うまい。


うまい。
新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

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