運動会という単語を連呼する大人たち

最終更新: 2017/08/22

夢のような飲み物でた!コーラなのにトクホ!特保!

炭酸なのに健康!脂肪の吸収抑えてくれる!サンキューベリーマッチ!

うおおおおお、これはうまい!(刺激的に)さらにうまい!(精神的に)

相乗効果でうまい!うまい!うまい!二倍二倍うまいうまい!

さて、昨日は栄養学のテスト後、運動会の出場種目を決めました。いや、もちろん学校の話。

本当は運動会じゃなくて体育祭なのだが、なぜだかみんな"運動会"と言っていた。

どちらでもいいといえばいいのだが、言葉の響きがまったく違う。たとえば小学一年生が「来週の日曜は体育祭なんだ」って言ってたら、なんだこいつはいわゆる私立でエスカレーターでお坊ちゃんですか、なんてひがみにも似た妙な違和感を思わずにはいられないだろう。それと同じで、「運動会の種目決めよう」なんて大のオトナが言ってたら、やっぱりどこかしら滑稽で、いやその時は別に滑稽ともなんとも思わなかったけど、今ふつうに思い返したら、コッケイだった。

で、その運動会、とやら。綱引きとか借り物競争とかリレーとかをやるそうである。そうである、ってヒトゴトみたいだけど、大人にとっては遠い目になってしまう内容であることだけは確かである。しかも応援合戦?とやらもやるそうで、それでマルマルモリモリ?とやらの踊りを覚えてやってくださいと、さらにハードルの高い指示があり、そんなの、遠い目を通りこして、もはや鼻水や涙は垂れ放題、果ては瞳孔が開いてきそうな内容である。

素面でそんなことができるわけがないではないか。むしろ酔っぱらってても難しいだろう。

いったいおれを何歳だと思ってるんだ。子供みたいに素面でドーパミンがガンガン出る歳じゃないんだぞ。しかもなんでわざわざ平日に有給使ってマルマルモリモリみんな食べるよなんてやらなきゃならないんだ、おい、責任者出てこい。すいません。

まあ、これも思い出か。って、思い出って、なんて便利な言葉だろう。なんでもかんでも、思い出、ってことにしたら、その瞬間どんな記憶もたちまち甘酸っぱい甘美なものとしてひとり酒の肴にぴったりな記憶の一丁上がりとなってしまう。

絵を切り裂かれたって思い出、酔っ払って池に飛び込んだって思い出、29歳でうんこ漏らしたって思い出、年甲斐もなく運動会でマルマルモリモリ踊るのもまた、思い出、思ひ出、思ひ出ぽろぽろぴっころぽろりにこにこぷん★

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新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

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