することが何もない、ということ

  2015/07/03

今月末の10月31日(木)までは実家に仮住まいの身である。その日まで現在の会社での勤務があり、最後の勤務終了後に、そのまま夜行バスに乗って東京に向かう予定なのである。もう二度とこの街には戻らない、と思っている。

さて、当面のやるべきことは片付いている。それに、画材をはじめとする家財はすべて引っ越し屋に持って行かれてしまっている。

手元にあるのは数日分の衣類と、次の会社に備えて勉強中のweb関連の書籍が数冊ある程度で、これといって鼻息荒くやるようなことは何もない。

というわけで暇である。時間を無駄にするわけではないが、完全にいまのぼくは気楽としかいいようがない。

まあ、これが平凡な暮らしであって、幸せということだろう。

最近、毎日のように「いまが一番幸せだ」と思う。

すべてひとの人生には山があり谷がある、というのは馬鹿でも知っていることだ。しかし、いま自分が立っているのが山なのか谷なのか、これはどんな賢人にもわからない。

わかりようがない。だからこそ、いまが一番幸せだと思うしかない。いや、別に思いたくないなら思わなくてもいいが、まがりなりにも幸せになりたいならそれ以外に道はない。いつかきっとで未来にすがりたくもないし、いまが頂点なんだと憂いたくもない。

あの時がとか、いつかとか、いまこの瞬間以外のすべてにどうこう言っても始まらない。

だったらもう、とにもかくにも今が最高だとするしかないし、それこそ一番の幸せだと思う。この容姿も、体調も、気分も、状況も、すべて、いまが一番最高だ。

蛇足だが、最近またぐんぐんとナルシシズムが盛り上がってきている。なんていい顔になってきたんだろうかと、我ながらほれぼれとする。確かに目は悪いが、本気でそう思っている。いつか靴を盗まれベソをかいていた頃には想像もつかない、いい顔つきになってきていると思う。

男は40過ぎたら自分の顔に責任を持てとはよく言うが、現時点ですでにその言葉の真偽を確信している。

40歳の自分。どう考えたってすばらしい人間になっていると思う。というか、素晴らしくなる以外の選択肢が見つからない。というか、ぬるま湯の日々で別段書きたいこともないので自画自賛でもしとくかな、というのが実情である。

新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

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