鉛筆削り器を買う、初めての電動体験。

最終更新: 2017/08/22

長らく鉛筆削り器など使ったことがなかったが、画像の通り、鉛筆削り器を買った。電動の。atヨドバシカメラ様。

というか、なんかニヤニヤしてしまった。

「鉛筆削りはどこですか?」

って店員に聞いたんだけど、時代遅れ感、世の中からの脱落者感がすごい。「鉛筆削りなんか使うの?なんで?どうして?バカなの?」って感じがものすごくする。店員も若干ニヤニヤしていたのは、きっと気のせいではない。おそらくは、ぼくのことを少しばかりオツムの弱い人だと思ったのだろう。

それはともかく、年に一回聞かれるか聞かれないかくらいのものであろう鉛筆削り売り場を「二階です」と即答で答えられたヨドバシカメラ店員には拍手である。

高校のころに美術部に入って教えられて以来、鉛筆は自分で削るもの、しかもとんでもなく芯を長く出し、今にも折れそうな状態で使うものと思ってきたのだが、現在の画風では常に芯先をきわっきわに尖らせて使いたいという欲求と、そうするための手間、時間(削る回数が半端ではない)を考えると、手で削るのはきわめて非効率的であり時間の無駄だと思い、少しでも時間短縮し効率アップをはかろうと、とうとうカッターナイフとさよならバイバイおれはこいつと旅に出る(デンドウーッ!)ということになったわけである。(ちなみにわかる人にはわかると思うけど、ここは「マサラタウンにさよならバイバイおれはこいつと旅に出る(ピカチュー)」というポケモンの歌にかけさせていただきました)

で、使い心地はといいますと、か、か、か、革命じゃ!

いままで一本一本カッターで削るという地味な作業をひたすらに従順にどこまでも盲目に行ってきたのだが、これはとんでもない革命である。

というか、もともと小学生くらいのころは普通に鉛筆削りとか使ってたわけなんだけど、中学生くらいからはシャーペンになり、高校に入ってからは美術部に入りネクラな空気の中で「し、新宅くん、え、鉛筆はね、カ、カッターで、こ、こうやって、し、芯を、な、長く、け、削る、ん、んだよ」と教えていただいてからはカッターと懇意にさせていただいていたので、そもそも鉛筆削りというものを使ったのが久しぶりすぎるのである。

そんなこんなでとにかくは電動鉛筆削り器に激しく感動してしまった三十路独身男性であった。こんなに美しく削れるものなのか。まさに工業製品のパワー、産業革命で手工業が駆逐されてしまったのも無理はないと、歴史を超越して納得してしまう美しさであった。

水色だけれども空とかの爽やかさではないカラ元気で不自然な感じのするカラーリング、というのも、所在なげにうがたれた丸い穴が、ぽつねんと控えめに、しかし「さあ、ここへ、いつでも、何本でも」と、アンビバレントな佇まいと主張でもって存在しているからなのである。特にその主張が、どこかしら猥褻なことがらを連想させなくもないその穴の主張が、はからずもぼくをどぎまぎさせてしまうのである。

現在、ぼくの色鉛筆は、おそらく100本程度はある、あ、あるのだよ。け、削っても、いいよね。ぜ、全部、削っちゃっても、い、いいかな。

ハァハァハァ……。

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新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

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