たゆたう気力

最終更新: 2015/07/03

先週半ばから、長らく停滞していたやる気が回復し始めた、ような気がする。

小説ではない。あれはもう、停滞どころか停止してしまっている。来月大阪で展示する絵の制作である。

昨日も今日も3時起きで絵を描いたし、ランニングもした。100%自分をコントロールできたという達成感から、自分がおそろしく素晴らしい、優れた人間に感じられる(とはいえ、平生の自己評価からして100点なので、105点とか110点とか、常人には理解不能な、いや、理解する必要もない感覚である)。

しかし、決して無理をしているわけでもない。19時上がりの仕事後、代々木界隈のファーストフード(牛丼など)で適当に夕食を済ませて、帰宅する。明日のお昼の弁当を作って、風呂に入り、9時過ぎには就寝、という生活。

なので、特に睡眠不足というほどでもなく、むしろ22時~2時のお肌のゴールデンタイムと言われる時間にちゃんと睡眠できているので、むしろ調子がよい。

まあ、一番の要因は、酒を飲んでいないということだろう。酒さえ飲まなければ、早起きもそれほど苦ではない。もう少し寝ていたいという誘惑を、たやすく断ち切れる。

酒さえ飲まなければ、万事が順調で快調に進む。なんていうと、もはやアル中の弁のようでもあるが、しかし、それくらいに依存しているとは思う。

体調良好。気分も爽快。今日も一日張り切って――というか、現時点ですでに完全燃焼しているのだが――と思いつつ、通勤電車の中で、すでに今夜は酒を飲もうか飲むまいかを考えあぐねている始末である。

真面目に、目標に向かって堅実に生活するというのは、確かにすばらしい。気分もいい。しかし、どうして、自堕落な誘惑を追い払うことができない。

頭の中を、朝っぱらから、さくら水産、庄屋、喜楽、さすらい人、その他もろもろの居酒屋が走馬灯のように、いや、スロットマシーンの絵柄のように駆け巡る。なんて、ギャンブルの類は一切やらないというかやったこともないくせに、漠然としたイメージでスロットにたとえてしまった。

飲む、打つ、買うというが、打たないし買わないんだから飲むくらいいいじゃないかというのが持論だが、しかし、それも程度の問題、あるいはバランスの問題なのだろうと思う。

人生の破滅が「100」だとしよう。そう考えると、飲む「10」+打つ「70」+買う「20」でも破滅するし、飲む「0」+打つ「20」+買う「80」でも破滅するし、飲む「100」+打つ「0」+買う「0」でもやっぱり破滅する。

たぶん、この考え方は、かなり理にかなってると思う。だから早晩、ぼくは破滅する。

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新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

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