突然の冬のつれづれ
2017/08/22
別に気象学的な話をするつもりも知識もないが、あまりにも突然に寒くなりすぎている、きのう、きょうと。
ほとんど一日中(暑い、あー暑い)とばかりこぼしながら過ごしていたが、ふと気づけばしっかりと秋どころか冬の口といった感じである。
こんなどうでもいいことを感じられて、無駄に書きつらねることができるのは、やはり当面の生活の安定と、そこからくる心の余裕に違いない。つい先日までは「東京に行く=無職まっしぐら」だったわけで、その気持ちの落差はくらべようもない。
それほど遠くない過去、別に一生フリーターで全然かまわないと思っていたが、こう、曲がりなりにも若者を過ぎて中年の仲間入りをするとそうも言っていられなくなる。たぶん、それが大人になるということなんだろう。
こんなことを言うとそれは世間体を気にし始めたから、つまり、固定観念に凝り固まったつまらない大人への道程を歩み始めただけなのかもしれないが、当の本人はさらさらそんな気はなく、わたしという人間はいよいよ素晴らしくなってきているような気がしている、というか完全に確信している。
先日のいくつかの面接で長所を聞かれて、あまり考えずに即答してしまった。
「異常に自分に自信があるところです。わたしが素晴らしくなくて誰が素晴らしいんだと思ってます」
もちろん面接官は一瞬停止して、コーラをコーヒーだと思って飲んだ時のような顔をしていたが、どうしようもなく本音なのだから仕方がない。
自分にとって、なにか特別な人生の節目のようにも思える季節の変わり目に、ちょっと過去を、さらっと今を、ぐいっと未来を、見はるかしてみる。
いろいろあったが、結局すべてよかったのだと思う。別に自己啓発系の新書の影響でもないが、すべてのことがらは起こるべくして起こり、すべてプラスだったのだと思う。
あるできごとがあって、何かしら感じて、何かしら動いて、自分や周りが変化して、その連続の中で、確かに変わったと思う。もう何もかも、全然別物ってくらいに、変わったと思う。
月並みだが、しみじみと、大人になった。要するに、歳をとった。
広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。
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