週末の映画について

  2017/08/22

またしても男はつらいよを見たことは言うまでもないが、それはさておき「トゥルーグリット」という映画を見た。

というのも、樋口くんがやたらと薦めてきたので、それなら間違いはないだろうと最近急接近中のTSUTAYAさんで借りてきて、見た。

で、感想、は、まあまあ。

よくなくはなかったが、とびきり良いというわけでもなかった。

樋口くんの感性には相当に信頼を置いているのだが、しかし、それほどではなかった。

うーん、なにがどうってわけでもないんだけど、こう、感情移入できなかったような気がする。

もしかするとそれは主人公が女だからかもしれなかった。

そういえばパニックルームのときも、内容は決して悪くはなかったのだが、いまいちだと思ってしまった。むろん、主人公が女性なのであった。

子供の時からそうだった。ぼくは高校の半ばまで結構なゲーム野郎であったのだが、それでファイナルファンタジーなどといったロールプレイングゲームをやり込んでもいたのだが、主人公が女のゲームはそもそもやる気がしなかった。

また、主人公の名前が変えられないゲームもまた、やる気がしななった、というか、やる気になれなかった。

だからぼくは、必ず主人公を「トモニ」に設定して初めて、ゲームに没入できるのであった。

いささか話がそれた。

ほくは感性とかの意味で女性的でありたいと思っているし、女の子みたいと言われても決して悪い気はしない。

のだが、しかしぼくは、まさに「女性」そのものにはなりたくなく、また、限りなく男とは別の生き物だと思っている気がする。

ぼくは結構な男尊女卑的思想の持ち主だと自負しているのだが、それは上述のような、女の子にあるいかにも女の子らしいいくつかの特長(一般的に、細やか、やさしい、装飾的、美に対する欲望、対人での表裏、恋愛に対する病的なエネルギー、など)を、つまりごく表面的な、単語でザクッと表現できるそれらを愛しているに過ぎない、のだと思う。

女になりたくはない。しかし女性的な感性は持っていたい。

主人公は今も昔もぼくでしかなくて、女はぼくにとって永遠に脇役でしかなく、ぼくは男であり続けて、そうして男である自分に自信を持っていて、かつ、愛しているのだと、思う。

って、映画の話かと思いきや、思いっきりてめえの話を展開しまくっている時点で、十分にぼくのなんたるかをわかってもらえるに違いない。

新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

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