スキップスキップらんらんらん
2015/07/03
大人になってからというもの、スキップを見る機会などまずない。
酔いどれにふざけてスキップをすることくらいはあるかもしれないが、朝の通勤ラッシュの街角で見ることなど、まずないだろう。それは朝の通勤ラッシュでぬらぬらしたボディビルダーを見ることなどまずないというくらい、ない。ありえ、ない。
だが、見た。ぼくは見た。
真っ白い割烹着に三角巾。そして長靴。そう、それはちょうど渡る世間は鬼ばかりの泉ピン子スタイルである。
歳のころは40代半ばくらいだろうか。おばちゃんである。
ぼくの正面、70〜80メートルくらい前方におばちゃんは現れた。遠目には、単に走っているようだった。
しかし近づくにつれ、それはおそろしくリズミカルなことに気が付いた。
まさに、スキップスキップらんらんらん、である。
別に顔は笑っていない。気違った風でもない。いたって普通のおばちゃんである。しかしスキップスキップらんらんらん、である。
ぼくはもうおかしくて、おかしくて、すれ違ってからもなお、振り返り、振り返り、ひとりにやにやと笑ってしまった。
マンガの中の表現では、よくご機嫌なときにスキップするという場面があるが、しかしあれほど現実にあり得ない行動もないだろうと思う。
しかし、現実にあった。何がそんなにうれしくて、楽しかったのだろう。どんないいことがあったのだろう。
そう考えるとうらやましい限りである。ぼくもいつか、そのような日があるといいなと思う。
いや、みんなにそういう日があるといいな。全然思ってないけど。すっごい偽善だけど。まあそんなことはどうでもいいけど、今年もあと二週間足らず、か。

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。
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