親の顔は忘れても、褒め言葉だけは忘れない。
2017/08/22
昨日のこと。学校を終え帰宅しようと新宿駅に行くと、小田急線が人身事故で止まっていた。
というわけで樋口と飲むことになり、とりとめもない話を、いつものように、した。
もう何度も話したことだが、人間なんて結局のところ、誰かからのわずかばかりの褒め言葉を死ぬほど大事にしまっておいて、それをちょいちょい取り出してみては、噛みしめ、喜び、安堵して、そうしてどうにかこうにか自信を持って生きていくもんだよなあと。まあ、たまにぼくのようにその噛みしめ方が尋常ではない人間もいるが、それはまあ置いといて。
というか昨日も昨日でまた別の人に褒められた。おしゃれだよね、って。ぼくは例によって「知っとる!」と答えたが、内心は満足感で嘔吐しそうなほどであった。褒め言葉はいくらあっても困るものではない。もっと褒められたく候。
そんな話をした帰り道、ほとんど面識も、しゃべったこともないにも関わらず、ぼくのブログの愛読者だというある人から、フェイスブックを通じてこんなお便りをいただいた。いや、ファンレターと言っても過言ではない。もっと、ファンクラブの開設が急務だと痛感している次第。
内容は、ぼくがその人に先日会った時(会うのは二回目で、はじめてまともにしゃべった)に聞いた、ぼくのブログの何がそんなにおもしろいのか、最近のブログでおもしろかった記事は何か、ということに対する丁寧かつ理論的すぎるお返事であった。
以下そのまま転載。
「ここ最近のブログで面白かった内容は」の問いに対して答えていなかったと思い、きちんと答えるためにも改めて「むろん~」9月分を再読してみました。
思わず笑ってしまったのは
・きみは「ピカゴケ」を知っているか
・ぼくもきみも人間だった
「ピカゴケ」の方は原爆という重いテーマからの不謹慎すぎる最後のオチ。
「ぼくもきみも~」は古本屋店員とのやりとりが作者の心の中で臨場感溢れる物語に変換され、文章だけでその光景がありありと浮かんでくる。ユーモアもありますが、おそらくそれを書き手の技術が更なる高みへと持っていっているような気がします。
最近の一般的なブログは公開日記と言いつつも日常を装飾して誰かの当たり障りのない共感を得る。ブログのための日常のような気がしますが、「むろん~」は個人の、等身大の自分をありのままに書かれています。作者の内言が時に面白おかしく、時にはノスタルジックに、はたまた死や原爆についての重いテーマが熱くもそして軽くも語られていたり・・・ネット上の公開発信で外部とのつながりをもつ一方で、ブログにおける内容は(というか作者は)とても閉鎖的、その違いがとても面白いのです。人は孤独と共に生きていますが、作者はその孤独に向き合いながらも、日常を思考していきます。その思考は若干の静寂さを持ち人生の悲哀を感じる。だからこそ、「おなじ街に住んでいる」はとても輝きを放っているのではないかと思います。(太宰作品における走れメロスのような)
以上が私の感想です。
転載終わり。
昨日はけっこう酔っ払って、帰宅したのは日をまたいで1時前くらいだったにも関わらず(でもお弁当、炊飯のタイマーは忘れない)、お風呂に入ってベッドの中、眠たいくせに、寝ればいいのに10回くらい読み返してしまった。そしてひたすらに寄せては返す満足感に耽溺し、にやにやし続け、眠れたのか、どうか。そのせいで寝不足な気がする。
というか、はじめてここまで理路整然と感想を述べられた気がする。なんとなくではなく、はっきりとした硬質な言葉で伝えられるって、こんなにもうれしいことだったのかと思う。
そう考えると、ぼくが今まで好きになった人に送ってきた無数の手紙は、理屈っぽく長ったらしい言葉の山積は、それはそれはうれしいものだったに違いない、という、やっぱり完全な自己肯定に尽きる。
なにはともあれ、これからもブログをがんばって書きたいと思います。そして今日のブログに関しては完全な自己満足のつれづれで申し訳なく思っております。
きょうのしごと:6時半起き絵の制作1ゲーム
広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。
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ブログ「むろん、どこにも行きたくない。」
2007年より開始。実体験に基づいたノンフィクション的なエッセイを執筆。アクセス数も途切れず年々微増。不定期更新。
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英語日記ブログ「Really Diary」
2019年より開始。もともと英語の勉強のために始めたが、今ではすっかり純粋な日記。呆れるほど普通の内容なので、新宅に興味がない人は読んで一切おもしろくない。
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2020年より開始。ロスのホームレスとのアートプロジェクトでYouTubeに動画をアップしたところ、知人にトークが面白いと言われたことをきっかけにスタート。その後、死ぬまで毎日更新することとし、コンテンツ自体を現代アートとして継続中。
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