人生という名の吹雪の中でカップラーメンを食べながら
2015/07/03
意味深めかしたタイトルを付けながら、しかし、それほど深い意味はない。
いまさらぼくが言及する必要もないが、先の土曜日はとんでもない大雪であった。20年に一度だか50年に一度だとかいう積雪量だったらしいが、一旦過ぎてみれば、何年に一度の出来事だろうと単なる一日でしかなく、人々の思いとは裏腹に、颯爽と忘却の彼方への道程を辿り始めているのである。
さて、かくいう私は、例によってどこにも出かけていない。にも関わらず、近所のダイエーに行くだけでもどこか遠い北国に訪れたかのような心持ちにさせられた。
旅行気分が無料で味わえて得したなあと、言えなくもない。そうして、しみじみと強欲な貧乏根性を発揮して喜びたいところなのだが、そもそも旅行など好きではないので、たいした喜びは無い。
雪なんかどうでもいい。なんなら現金が降ってきてくれたなら、もう、それはそれは、ちょっと目も当てられない醜態をさらし、白目をひん剥いて狂喜してそこらを走り回り、昼夜を徹していまだゴミ袋に現金を詰め込み続けているところであろうから、つまり、こんなブログなど書いているはずがない。とどのつまり、現金など一円たりとも降ってきてはいないということだ。
それはともかく、かような豪雪の中にも関わらず、土曜日のホームパーティはつつがなく開催された。と言いたいところだが、樋口氏の奥様については、雪の影響により3時間以上も電車に缶詰になり疲労困憊とのことで、欠席となってしまった。久方ぶりに猛然と料理に精を出しただけに、誠に残念である。
ちなみにメニューは、マカロニサラダ、アボカドディップを添えたクラッカー、トマトをくりぬいて器にしたビーンズサラダ、バーニャ・カウダ、手羽元のマーマレード煮、豚の角煮、ブリ大根、ムール貝とキノコのホワイトグラタン、鶏もも肉の味噌だれ鉄板焼き、鶏もも肉のトマト煮込み、山芋の鉄板焼き、タコとエリンギのアヒージョ、だったと思う。たぶん。
例によって、ビール、赤ワイン、白ワイン、焼酎と痛飲したので、最後のほうはよく覚えていない。気づけば朝である。かくも酩酊は時間を何分の一にも圧縮する。しかしまあ、もめごともなく、みんなで仲良く楽しい夜が過ごせたので、何も言うことはない。
しかし、今回の反省点もある。それは宅飲みの割り勘に当たっての金額である。って、えげつなくも現金が降ってきたらなんて抜かした挙句に、また金の話かよと辟易及び軽蔑される向きもあろうが、しかし、お金は大事である。
私の考えでは、宅飲みの何よりの利点はその安さにあると思う。それが、今回は4人で割り勘にしたとして2,000円であった。料理を頑張ったとはいえ、これはちょっと高すぎだと思う。ぼくとしては、宅飲みのリミットはせいぜいが1,500円である。もっと、理想としては1,000円ポッキリに抑えたいところなのだ。
もちろん、各々の経済力及び金銭感覚によるところが大きいだろうけれども、これは宅飲ミスト、またはホームパーティストとしては(とはいえ、そこまで頻繁に宅飲みをしているわけでもないが)、決してなおざりにはできない課題である。
次回は、料理のクオリティを落とさずに、もっとコストパフォーマンスを重視して、お腹もお財布も満足してお帰りいただきたいと思う次第である。いや、たかが宅飲みにそれほどの情熱を注ぐ必要もないのだが、男尊女卑的思想の持ち主のくせに、そこだけは、女中の如く甲斐甲斐しくもてなしたいと思うのだ。
広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。
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