アート、料理、なにもかもあっという間

  2017/08/22

調子に乗って今日もセルフポートレイト。ええ、今日も頑張ってますが、今日は若干寝坊してしまい起きると3時40分でした。

そしてまたパピコを食べました。知覚過敏なので、パピコとかガリガリ君とか、っていうかアイス自体ぜんぜん好きじゃないんだけど、相当前にした飲み会で誰かが買ってきたパピコが5、6本、ずーーーーーーっと冷凍庫に転がってるから仕方なくかじってる。

というか、今日は何故だか自分自身からいつか大学のころに匂ったことがあるような香水のいい匂いがする。電車内でいい匂いがするなあと思ってたら、自分だった。洗濯したばかりなのになぜだろう。とりあえずぼくは匂いフェチなので、匂いには敏感なのである。しかしそのため、ずっといい匂いがしているので一人むらむらしてしまっている。もともと常ににやけている顔なのに、今日は五割増し程度はにやけている気がして不安でたまらない。で、で、ででもいい匂い、ハァハァハァハァ……。

閑話休題。

今日はなぜか絵を描きながら学校のことを考えていた。そして小学校のときの卒業アルバムに書いた「10年後の自分はどうなっているか」のことを思いだした。

ぼくはまったく月並みに「父親」と書いていたのだが、まさか「牛丼を描いている」とは予想もできなかっただろう。まあ、10年以上経っているわけだが、仮に神様にその時「あなたは30歳になったころ牛丼を描いているでしょう」と告げられたとしても、ぼくはきっと「は?」としか言えなかったに違いない。なんか、何かで読んだけど、未来とか禍福とかの啓示は常にいろいろなところで与えられているのだけれど、受け取る私たちがその啓示が何を意味するのか理解できない、というやつの典型かもしれない。ちなみに「生まれ変わったら何になりたいか」という質問には「ゴキブリ」と答えていた。

それはともかく、もう入学して8ヵ月も経つのかあ、と。

その時々は長かったりだるかったり時間の流れが遅々として進まないと感じたりもするけれど、過ぎてみれば、あっとういう間。ほんとうに、なにもかもあっという間。そりゃあ歳もとるわけだ。

こうしてすぐに卒業の日になるのだろう。で、卒業のときにクラスのみんなになんかしら偉そうにしゃべる内容を考えてみたりした(それよりなにより赤面症を克服するのが先なのだが)。ぼくはまったく料理の道には進まないので、逆に客観的にちょっと良いコメントができそうな気がした。

そう、入学当初はそうでもなかったけど、周りを見てると思う。将来は店を持つんだというような気概で本気で料理をやってる人と、ぼくのように教養というかほんのりとした人生の充実程度にやってる人とでは、明らかに違うなあと。月並みな表現だけど、熱意というか、エネルギーの質が違う気がする。

趣味と仕事の差はそこにあるんだろう。趣味でやってる人が仕事でやってる人にかなうわけもなくて。

でも、学校に入ってすぐくらいは、もしかしたらぼくも料理というものを"信じられて"、それを職業にしようと思うようになるかもしれないなんて、ちらと思ったりもしたけれど、やっぱりなれなかった。

最近、もしも将来インタビューとかされた時、「芸術家にとって一番大切なことは何ですか」なんていう質問をされた時にどう答えようかと考えていて(単なる妄想です。妄想は自由です)、ぼくはこう答えようと思った。

「思い込めることです。」と。

これは芸術だけじゃなくすべての職業、いや、職業ではないにしろ本気で何かを為そうとするならば、すべてのことについて言えることだと思う。

"思い込める"ことは、二つの意味がある。自分のやっていることは最高に素晴らしくて価値のあることなんだ、自分の人生を捧げるにふさわしいものなんだと思い込める、すなわち"信じられる"こと。そしてもう一つは、"思いを込める"こと。これはまあ、「ぼくの思いを込めて作った」とかいうときの、思い込めるである。

この二つを反復継続的に絶えず意識して、また実践して生きて行けば、その仕事で成功はできないかもしれないけれども、少なくとも趣味の域では終わらないだろうと思うのだ。

そういうわけで、ぼくは料理に対しては、ちょっと無理して背伸びをしてみても"思い込めなかった"だけのことで、しかし芸術、アートのことは、やっぱりごくごく自然に"思い込めてしまう"のであった。

そういうわけだから、ぼくは今日も明日も明後日も、いまの絵に、芸術に、自分の行為そのものに、思い込める、思い込める。

新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

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