終わりがない幸せ

  2017/08/22

今日の画像はコンビニのトイレのカレンダー。

なんかこの絵、すごいいいなと思った。なまじ器用になると、こういう塗り方とか描き方を忘れてしまうんだよなあと、妙に感慨深くてパシャリ。

それはさておき、何が幸せかなんて十人十色だけれど、ふと、祖父が、もう三年前かもっと前か、とにかくは死んでしまったじいさんがよく言っていた言葉を思い出した。

夜の6時か7時くらい、家族みんなでご飯を食べているとき、じいさんは言っていた。

「明日までに食べりゃあええんじゃけえのう」

馬鹿かこいつと、思春期のころのぼくは思っていたものだった。

しかしいま、ふと思い出して、思った。その通りだなあと。

何時までに食べて、何時には帰って、何時には寝て、なんていうのが決まっているのは、あまり楽しいもんじゃない。

特にごはんは、ゆっくり食べるに限る。しゃべりながら、いつの間にか料理が冷めてしまうくらいゆったりと食べるのが一番いい。

親しい友達と飲んだりするときだってそうだろう。たとえば会う前から、今日は11時まで飲もう、なんて決めて飲むわけがない。それは決まっていないからこそ、もしかすると"夜通し朝まで飲む"可能性を含んでいるからこそ、話は際限なく膨らんでいくのだし、酒も進むのだし、そして何より楽しいのだ。

まあ、じいさんは、そんな深い意味を込めて言っていたわけではなかったろうが、ぼくはこれから、可能な限り「明日までに食べりゃあええんじゃけえのう」という気持ちで、毎日のごはんを食べたい。

というか、"夜通し"とか、"夜が明けるまで"とかいうのは、特別なことな気がする。やっぱり、夜を誰かと超える、日をまたぐ、というのは、人と人を強く結びつける何かがあるのではなかろうか。

新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

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