絵に料理にとするすると続く
2017/08/22
昨日は日本料理のテストで、鯵の三枚おろしとかつらむきをやった。入学して初めての実技試験。そういえば実技の試験なんて、生まれて初めてな気がする。
ああ、でも、大学の入試のデッサンも、あれはまあ実技だったのか。でも、お昼休みにケシゴム用の食パンをもぐもぐ食ってるやつが居るような大学だったからなあ、そいつは同じ広島出身で同じ画塾のやつだったのだがまったく仲良くはなく、むしろ口を利いたことさえもなく、おまえの昼メシそれかよ!って思ったのをよく覚えてる。なんか、しっかりと変なやつだった。講評会のときなんか、自分の絵以外の批評のときは大抵寝てた。ある時、先生が講評の順番を間違えてそいつの名前を呼んだのだが、案の定寝てたので「ああ、次は○○じゃなかった。寝てていいよ」と言われてたっけ。それからそいつが先生の批評をメモしているのを後ろから見たことがあるのだが、ただ一言「ほめられた」って書いていた。だめだこいつ、ってつくづく思ったが、彼はいまごろどうしているのだろう、か、ってまあどうでもいいや。
とにかくは実技試験、無言で鯵を三枚におろし、大根をかつらむく。
別に料理に人生も生活も夢もかかっていないので、緊張なんてそもそもするはずもないのだが、まあ、経験としては悪くはなかった。そしてその後、テストの残骸で鯵のほぐし身のさっぱりご飯?とかいうのを食べたのだが、これが妙においしかった。鯵の三枚おろしを骨抜きして塩コショウし、しっかりフライパンで焼いたあと、身をほぐして、大葉、みょうが、ねぎ、ポン酢を混ぜてごはんの上にのせていただきます。
うまー、かった。
で、画像はおととい月曜日の西洋料理。料理名がよくわからないのだが、鶏もも肉にエビやらひき肉やらエシャロットなどを混ぜたものをつめて、オーブンで焼きあげるという、なんとも手の込んだ感じのする素敵なお料理。ひさしぶりにこれはいいね!と思った。適当に家でも作ってみよう、と言いつつ、料理する暇があったら絵を描きなさい自分、と思う。
とりあえず昨日は帰ってから部屋のレイアウトを変えて、奥の部屋を絵専用のアトリエ化させて、S10号とF15号の過去作品をグリーンのジェッソでつぶしておいた。ひさしぶりに絵の具が散って手についた。ああ、絵の具ってこんなんだったなと、思った。もう一枚の画像は、見たままで筆。
買い置きの、封を切ってない筆が数本ささってて、ぼくが絵の制作を突然にやめたことを物語っていた。それはいつのことだったろう。いや、いまは再開したから休止だったことになるのだが。
もう一度描こう。描いてみよう。
というか昨日、とあるギャラリストの方にお会いして、そのとき聞いた一言が妙に胸に刺さってる。
「一年に一枚くらい大作描いて、これは今年一番の傑作だ、なんてやってるのはプロじゃない。アマチュアだよね」
って書いてみたものの、いろんな解釈ができそうな言葉だな。ぼくは、ようするにプロはそんな悠長なもんじゃない、ということだと受け取った。明日でも明後日でもなく、今すぐ、可能な限り多く、実行する。
スピード、量、質。
そのすべてを、特にスピードと量ではないかと思った。スピードと量の中を駆け抜けていれば、質はおのずとついてくると思える。
ひっくるめてそれは、パワー。
今日帰ったらもう一度、今度は肌色っぽいジェッソを塗って、土日の制作の用意をしておくつもり。そしてまた、土日までにそれぞれのキャンバスに描く構成図?エスキース?いや、完成図か?まあとにかくはそういう画像をフォトショップでちまちまと作って用意する。
そろそろ牛丼落下の画像を使い回し過ぎたので、また撮影をしなければと思う。が、6月〜9月の間は吉野家では卵の持ち帰りが禁止なのだ。
まあ普通に食中毒防止のためだろうが、しかし、そんな悠長に9月を待っていることはできないので、スーパーで買った卵を使わざるを得ないのは、ここだけの秘密にしておいていただきたい。
広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。
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