ああ、そのドアをピンクに塗るセンスよ
2017/08/22
帰ったらピンクになっていた。正確にはピンクに戻っていた。
ドア。ぼくの家のドア。どこでもドアじゃないごく普通のドア。
そう、白に塗ってあったのは、下地だったのでした。つまり絵でいうジェッソみたいなことだったのである。それがおれってばよ、ちょっと不動産屋にクレーム入れようかなぐらいの気分になっちまってたってばよ。そうだよね、絵だってキレイに塗るためには下地塗るもんね。そうだよね。ごめん。ごめんね。なんか、いまさらながらすごく自分の性格を痛感した。昔から、早とちりでせっかちで、性急に結論を求める、自分の性格、性質を。
自分はこの3年くらいで劇的に変わったと思ってたんだけど、結局なんにも変わってないのかもしれない。三つ子の魂百までとはよく言ったものではないか。
そういう性格でよかったこともたくさんあったし、よくなかったこともたくさんあった。どういう時にどう作用したのかは結果論でしかないけれど、人間ってやつはほんとうに"なるようにしかならない"のかもしれない。いや、プラスの意味で。良くも悪くも、きっとすべての人が自分らしく生きて、自分らしく死んでいくんだろう。無理しても自然体でも、泣いても笑っても、行きつく先は同じ、土の中。違うのは、墓石の石の良し悪しくらいのものだろう。そうだとしたら、動かせるものはなんだろう。変えられるものはなんだろう。
って、ドア一枚でここまで感傷的になるおれって、どうなんだろう。いや、まったく、自分のことは完全に髪の毛1本残らず否定する気もなく大好きなんだけど。僕お得意の、悩めるポーズなのである。はい、ポーズ。
広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。
ご支援のお願い
もし当ブログになんらかの価値を感じていただけましたら、以下のいずれかの方法でご支援いただけますと幸いです。
Amazonギフト券で支援する
→送信先 info@tomonishintaku.com
ブログ一覧
-
ブログ「むろん、どこにも行きたくない。」
2007年より開始。実体験に基づいたノンフィクション的なエッセイを執筆。アクセス数も途切れず年々微増。不定期更新。
-
英語日記ブログ「Really Diary」
2019年より開始。もともと英語の勉強のために始めたが、今ではすっかり純粋な日記。呆れるほど普通の内容なので、新宅に興味がない人は読んで一切おもしろくない。
-
音声ブログ「まだ、死んでない。」
2020年より開始。ロスのホームレスとのアートプロジェクトでYouTubeに動画をアップしたところ、知人にトークが面白いと言われたことをきっかけにスタート。その後、死ぬまで毎日更新することとし、コンテンツ自体を現代アートとして継続中。
- 前の記事
- ああ、そのドアを白く塗るセンスよ
- 次の記事
- 手打ちパスタのレシピ、の巻