素で、わたしは天才だとおもう。

  2017/08/22

ばかみたいな今日の記事のお題。死ね、とお叱りを受けそうだが、でもいま、本気でそう思ってるから仕方がない。

その前に、今日の画像は昨日の深夜、ひとり鯵の三枚卸の自主練の様子。絵に夢中だけど、料理だって抜かりない、それがおれ、ぼく、新宅睦仁である。

生まれて初めて、自分で鯵をさばいて刺身で食べたので、アール。鯵、一尾150円、であった。

いつも、というか一人暮らしを始めて十余年ではあるが、処理済の刺身のパックくらいしか買ったためしはなくて、しかし自分でさばいて刺身で食べるというのもなかなか、オツなものである。というか、とてもよい。ベリーグッド。マイネーミーズトモニシンタク。

魚はうまい。それも刺身が一番うまいと、噛み締める。学校で勉強してなかったら、きっと最後まで水で洗いまくって水っぽくなってしまって食えたものではなかっただろうことを思うと、やはり知識とは、教育とはすごいものである。

それはともかく、わたしは天才である。

絵のことである。

今まで、高校のころからけっこうな量を、一生懸命絵画作品の制作をしてきたのだが、こんなに長続きする衝動も珍しいのである。

素晴らしいと思える作品プランやビジョンは何度もひらめいたことがある。そしてテンションが異常に高くなったこともまた、何度もある。

しかしそんなテンションは、たいていは制作の中盤から終盤にかけて、「これでいいのか?」「なんか微妙な気がする」とかいうもやもやとした疑問が芽生え始め、一応は作品を完成をさせるものの、「次回作こそ傑作を!」というような、反省と次回作への期待で終わることがほとんどなのである。というか、いままで100%そうだった。

しかし今回の作品。だいたい現時点で60%くらいの進度なのだが、まったく疑問を感じない。ただ、「手抜きさえしなければ!」と、自分を戒めとにかく鼓舞するくらいのもので、自分でも不思議なくらい「これは最高だ!まじで最高だ!素晴らしくないわけがない!」と思えてしまっているのである。

もしかすると、本当にぼくにとっての人生最高の傑作が誕生するのかもしれない。いわゆる代表作が出来上がるのかもしれない、が、あるいは、単にぼくのナマクラな眼が腐りきって、モノを見る眼が無くなってしまったのかもしれない。

しかしまあ、絵を描くとは、まったく大変な労働であると、ひさしぶりに本腰を入れて制作をして、しみじみと思う。

その一本の線が、そのひとつの色面が、どれだけの労力で生み出されたことか。

絵を見るのはせいぜいが1分もあれば十分なのだが、その作品の前で、作者がどれだけ動いたか。気が遠くなる。

くそつまらない駄作でも、その労力だけは真実である。

芸術作品とは、あきれるほどデリケートで、泣きたいほどゴミである。

新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

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