ハッとしてグッときてパッと苦悩

最終更新: 2015/07/03

人間の気分には波がある。波というかムラがある。

特にぼくは気分屋であるので、感情の起伏が激しいのである。

で、別に、特に、これといって何かがあったわけではないが、激しくむなしい。おとといくらいから死にたい。いきおい、消滅したい。

いわゆる苦悩である。しかし、田原俊彦の歌詞に乗せてチャカせるほどには大人になったので、これはある種の達観の苦悩ではある。

しかし、この世の中はむなしい←そんなことはあたりまえだろう←あたりまえと思うことぐらい、それこそあたりまえだろう←イマココ。

なので、ちょっとやそっとで解消できるようなむなしさではない。それだけはわかる。食生活に気を付けていてもたまにある腹痛のようなものである。そういうときは、ひたすらに腹をさするか正露丸でも飲むかして、じっと治まるのを待つしかない。

それはともかく、おとといは新宿にて読書会であった(別にそれが落ちている理由では決してない。むしろ大満足であった。)。読書会というのは月に一冊課題図書を決めて、それを各人が読んだうえで集まり、あーだこーだ話し合うという、恐ろしく真面目かつ建設的かつ無意味な会である。で、今回の課題図書は「エリック・ホッファー自伝—構想された真実(作品社)」であった。

ぼくは今年の一月以来、二度目の出席であるが、やはり知的な会話というのは実にいいと思う。月に一度でも、ああいう空気に触れられるなら、それこそイマココにいる意義があろうというものである。

ぼくにとってはこれといっておもしろい本ではなかったが、その中の一節がいまのぼくの気分に近い気がするので、ご紹介したい。

"とくに欲しいものを手に入れたときには、幸福などほとんどないというのが世の常である。"

それを言っちゃあおしまいよ、という感じである。しかし、人生は生きるに値するのか否か、という疑問はいまだにある。いや、ほんとはもう、ほとんどない。だって生きてるし、それこそのうのうと生きる予定。死ぬなら自分以外のだれかが死ねばいいと思っている。そうは言っても、一応はときどき、ハムレットばりに悩んだフリをする。いや、したいんだ。だって、憂いって、かっこいいでしょ? 

生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ。(決まったぜ)。

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新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

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