ときめいて秋めいて芸術めいて

  2020/08/19

今日は3時に起床し、朝のうちに絵の制作2ゲーム。100号と並行してジャケットサイズ(30cm×30cm)の制作も進めておる、のが本日の画像なのだが、いい感じ……のように思えなくもないが、なんかこうバシッとこない。実はこの絵、描き直したので2枚目で、1枚目は絵の具を散らし過ぎて失敗したのである。時間はなくとも納得がいかない絵はちゃんとハネる。そんな精神が自分にちゃんとあることがうれしい。で、この作品、もっと描き込むことによってバシッとなって納得できるのか現時点では不明で手探りは続く。しかしまあそれが芸術というかアートというか創造というものであるのだろうエヘン。とにかくは前進しておる。ちゃんとやっておる。おれは大丈夫だ。

と、なんで今日は朝のうちに2ゲームしておいたかというと、今日は学校の同じクラスの人たち15〜6人で、東京湾を豪華客船でクルージングして飲み食いするのである。けっこう前から誘われていて、まあ、東京ともお別れだしすべては思い出づくりということで船でも乗っとくか、って、ぼくはてっきり屋形船みたいなやつだと思っていたのだが、最近詳細を知ったところによるとなんだかけっこう立派な船らしい。

それにしてもここにきて東京湾に繰り出すことになるとは思いもよらなかった。しかし東京湾なんてゴミだらけじゃないの? スクリューにゴミが絡まって止まったりしないの? ぼくが東京に来て乗った船と言えば、上野の不忍池だったかのボートと、多摩川でのボートくらいのものである。つまり手動であって、電気仕掛けの船に乗るのは今日が初めてなのである。

電気仕掛けの船に乗った直近と言えば、やはり宮島のフェリーでしかなくて、しかしあれは広島の人間にとっては船というより電車の延長線上なので、クルージング、と呼べるような船は今日が初めてかもしれない。いや、もっとさかのぼると小学5年生のころまでさかのぼってしまう。いかん、昼間っからノスタルジックスイッチがオンになってしまった。あーもうさかのぼった。

それはサッカーの遠征試合で、韓国へ行く船なのであった。

ぼくの所属していた五日市南とかいうクラブチームはけっこう強くて、県大会とかでもよく上位入賞していた。で、そのときは優勝して、それの副賞的なものが韓国での遠征試合なのであった。

へぇ〜、新宅さんってサッカーうまかったんだと思われた方、それは早合点というものだ。そこはわたくし新宅睦仁、いかにもそれらしいエピソードがあるのである。

何を隠そうわたくしは万年補欠であった。そのくせお父さんには「将来はJリーガーになってお小遣い1000万円あげる」と口癖のように言っているのであった。まさに井の中の蛙大海を知らず、というか、よく考えたらその頃から何かしら自信過剰の気があったのかもしれない。しかしリフティングだけは無駄にうまくてクラブチームで一番であった。もちろんそれでレギュラーになれるわけではないので、そのとっておきのリフティング技術を披露するのはもっぱらお母さん、もしくはまだ右も左もわからないような幼い妹に、であった。それは子供にありがちな強制的なお披露目であり、見て見て見て見て見て見て見て見て見て見て見て見てとしつこく言って外へ連れ出し、夕飯の支度の時間などお構いなしに無理やりにリフティングを見続けさせるのが常であった。

さて、ここで問題です。そのような立場のわたくしが韓国での遠征試合という副賞の恩恵にあずかれるでしょうか? あずかれるわけがないのである。いくら優勝したからといってよくわからない補欠らの旅費までくれるほど世間は優しくはないのである。

それでは、なぜぼくは韓国に行けたのでしょうか。と書こうと思ったけど疲れたので、話の続きが気になるという奇特な方はフェイスブックでいいね!もしくはコメントでリクエストを。って誰に言われんでも明日また書くわ。

新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

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