ARTDISFOR作品コンセプト【2】

  2017/08/22

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~なぜ芸術を攻撃するのか?からの続き。
攻撃することの意味は三つある。
一つ目は攻撃するという行為は非常にレスポンスの良いコミュニケーション方法だからである。話かける、笑いかける、誉める、愛する、嫌う、けなす、など、いろいろなコミュニケーション方法がある中で、攻撃はもっとも早く反応が返ってくる行為だと思う。
攻撃をされれば、それをかわすなり防御するなり反撃するなりをしなければならない。もちろんその攻撃は暴力によってではなく芸術によってなのだが、攻撃という行為にある特性は同じだろうと思う。
二つ目は、攻撃とは対抗すること、逆らうことでもあり、その行為の元には力強いエネルギーが生じるからである。時代やムーブメントという激流、その流れに乗って流されていくことは簡単だが、立ち止まることは難しいし、鯉のように流れに逆らうのはもっと難しい。難しいが流れに逆らうその時には、平常時には無いエネルギーを必須のものとして扱うことができると考える。
三つ目、これが一番重要な意味なのだが、暴力ではなく文化での攻撃は、問題提起という意味合いが非常に強い。たとえば政治批判などはその行為自体が問題提起になると同時に、その理論自体の良否・提唱者自身の良否も同時に問われることになる。
つまり芸術を攻撃するという行為自体を作品へと昇華させた場合、問題提起と作品に対する批評という、現代美術にとってなくてはならない状況そのものが作品に包含されることになると考えるからである。
”なんでもあり”というイメージの強い芸術に対して、「なくてはならない」というような絶対的な表現をすると違和感を感じてしまうかもしれないが、ダヴィンチのモナリザに代表されるような”作品の歴史”という代替不可能な価値が、物理的にも時間的にも現代美術が持ち得ない以上、現代美術は直接的にしろ間接的にしろ”今”という時の中で光る表現がなされ、今を生きる人々に何かしらを感じさせることでしか、価値を持ち得ないものなのではないかという考えから、このような表現をしたのである。
以上のようなコンセプトから「ART DIS FOR」と命名し、その第一回目は、「くたばれ東京藝大」展という、問題提起と作品に対する批評を勝ち取れるであろう個展を企画したのである。
しかしこうやって今一度考えてみると、意外なほど難しいものだと思ったりしました。日本人はあまり作品を言葉で説明しない、というか説明がヘタクソなんだそうです。とにかく、今日は久し振りに頭を使った気がします。
ではでは、次回は「くたばれ東京藝大」展
のコンセプトについてつらつらと書いていこうと思います。
ぜひコメントもしてやってください。いろんな欠落があるはずです。

新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

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