足裏の熱

  2017/08/22

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絵を描くべく早朝に起きて、しかし絵を送らなければと郵便局に向かった。
郵便局を出て歩き出すと、不意に前に樋口が言った言葉を思い出し、散歩がてら確かめにいくことにした。
「向こうにファミリー居酒屋っぽいのがあるっぽい」
何を隠そう僕は出不精で最寄り駅から見て自分家より先にほとんど行ったことがない、ので、いくら近所でもその先は僕にとっては知らない街なのだ。
しかしファミリー居酒屋があるかもしれないとなれば話は別である。ぜひともその存在を確認してぜひとも飲み食いさせていただきたい。
まだまだ暗い朝っぱらから僕は鼻息荒くファミリー居酒屋がある“かもしれない”方向に向かってサンダルでじゃんじゃん歩いていった。
最初に見えてきたのは松屋だった。この店の存在もつい最近まで知らなかった。
次に見えてきたのは確かジョリーパスタでその次はビッグボーイとかいうたぶんハンバーグ屋でその次は…… ファミリー居酒屋ではなくうどんと寿司を食わせる店だった。その先では、小さくケンタッキーが光っていた。
居酒屋は 無かった。
僕はどうも納得がいかなくてGoogleマップで調べてみた。ストリートビューでも確認した。
が、何もなかった。
心底がっかりした。
がっかりしたから絵がうまくいかなかった。
居酒屋がなかったせいだと思った、

新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

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