精神の脆弱さの出どころ

  2017/08/22

つまり、どこにも行きたくない-F1000113.jpg

先日見つけた穴は次の日さらに大きくなっていた。そして本気なショベルも突き刺さっていた。かなり深い。
何か、ただならぬ精神を感じる。掘って掘って掘りまくるというような、狂気のような。掘りまくった穴に何を埋めようというのか。
が、しかし、それはきっとけっこう無邪気な子ども達が掘ったのだと思う。いや、見てないからもちろん予想でしかないのだが十中八九そうだと思う。だから子どもが掘ったのだ、絶対に。
僕もよく掘っていた。家の前にある駐車場で、ショベルやらスコップやら水やらを駆使してとにかく執拗に掘りまくっていた。
大人はすぐに「なんのために?」と言うけれど、なんのためでもないことをするのがおかしいわけでもないし、「意味の無いことをすること=無意味」というわけでもないのだ。
「無意味=無意味」であればまだ成り立つかもしれないが“無意味なことをすること”は必ずしも無意味ではない。
わかるだろうか、そのへん、かなり数学的、って数学は苦手なんだけど、まあイコールなんて記号をたくさん使っちゃったから数学的ってのも安易な話で。
まあ無意味は放っておけば確かに無意味だが“無意味をやる”と無意味ではなくなる。
無意味だ無意味だ、こんな毎日無味乾燥だ、とかなんとか思っても、無意味をしてる以上なにかしらの意味が付いてしまうし在るものなのだ。
ったく、無意味だ無意味だ無意味だ無意味だ………

新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

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