広がる広がる料理の輪、笑顔の輪
2017/08/22
昨日は東京に雨を降らせてしまって申し訳ございませんでした。どうも、雨男の新宅です。
昨日見に行った朝海陽子さんの個展だが、ぼくはけっこう好きだった。
最近、機会があればぜひとも身銭を切ってアート作品を購入してみようと目論んでいるぼくである。写真だからお手頃価格だろうと値段を聞いてみたら一番安いのでも6万5千円ほどで、ほうほうほうほう、うむうむうむうむ、アートアートアートアートのある生活は素敵だねぇ~、これくださ~い、ってバカやろう! 生活そのものが崩れてまうわっ!と、スタッフの方に憤慨し罵倒し、という勢いで、しかし笑顔で「白ワイン、何杯でもどうぞ~」と言われ「ありがとうございま~す」とご機嫌になっちゃってその気分のままに「なぜ広島の空をピカッとさせてはいけないのか」(税込2520円 を買わせていただいてしまいました。
本の内容についてはまた気が向いたら言及しようかと思います。
そう、それで今日のタイトルなんだけど、昨日ひぐちに突然、「おれ、最近パスタにはまっとるんや」と打ち明けられた。
「トマトクリームパスタはうまい」「クックパッドってサイトの“つくレポ”っておもろいよな」「前おまえがブログに載せてたカニクリームってうまいの?」などなど、成人過ぎて7、8年も経つ男子二人が料理談義に花を咲かせておる光景はまことに微笑ましくも気持ち悪い限り……。
ひぐちは頑なに人の影響というものを遮断する奴だと思っていたのでその影響のされ方にニヤニヤニヤニヤしてやったりな気分に浸りながら僕は、無人島を出たその足でひぐちと下北沢に飲みに行ったのである。
話は変わりじいさんの死について話した。
「今でもじいさんが死んだという気がせんくて、世界のどこかに行けば会えるような気がしてる」と僕が言うと、「まあそれはロマンチックに過ぎるけど、じいさんが居るのが当たり前だった家や場所にじいさんが居ないってのは今でも違和感があるな」なんて、料理に続き健全すぎて道徳が一周して逆に極道ヤンキーになってしまうんじゃなかろうかというような話をした。
そんな話をしたせいか、酔っ払って帰宅しバッタリ眠ってしまったぼくはこんな夢を見た。
妹が死んだ。お昼過ぎ、実家の、ダイニングルームに僕はいた。死んだから、妹はそこに居なかった。母と、父が近くに居たような気がする。でも葬式はまだで、おそらくは今夜が通夜だろうという時だった。
夢の中で僕は、妹の死についていろいろ考えていた。火葬場で妹の骨を拾う場面を想像した。
もう二十歳になるけど、夢の中で想像した妹は小さくて、それで骨もとても小さくて、か細くて、もろくて、それをつまむ場面を逐一想像すると、どうにも体が引き裂かれそうにやり切れない気持ちになって、僕は号泣した。
号泣がしばらく続き、頭の片隅に「泣きすぎじゃないだろうか」「そもそも泣くってなに?」 なんて考えがよぎった頃に場面が変わった。
なんか、とりあえず、親より先に死ぬもんじゃねーよ。ちゃんと、年長者から、老いた者から順番に死んでいくべきだよ。
なんか、つくづくそう思った。死ぬ順番に番狂わせなんていらねーよ、って。
広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。
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