実家から送られてきたもの

  2017/08/22

つまり、どこにも行きたくない-F1000974.jpg

“料理好き”から“料理狂い”に、そうなりつつある僕はある日、母に「使ってないフードプロセッサーがあったら送ってくれ」とメールした。
なぜかって、ほうれん草をペースト状にしたいのだった。
その時は探してみるという返事だったが、次の日くらいに運良く使ってないのがあったらしく、その小包が昨日届いた。
さっそく開けてみると、フードプロセッサー、と、別に頼んだわけでもなかったはずな“蒸し器”と、日本酒と、“飲みかけの焼酎”が入っていた。
「飲みかけかよっ!」
と、僕はひとり突っ込み、そして笑ってしまった。
それと麦茶のティーパック(50P入り)も入ってたんだけど、それもやっぱり開封済みの使いかけで、おそらく20Pくらいまでは使われていた。
この「使いかけが送られてきた」という話をすると大抵の人が笑ってくれる(毎回何かしらが使いかけになっている)。
笑ってくれるということは使いかけのものを送ってくるというのは“特殊”なことで“変わっている”ことなんだろう。
まあ、使いかけが送られてくるということは、実家でもしっかり時間が流れててちゃんと元気で生活してるってことだろうから、ある意味使いかけのものってのは言葉なき手紙なのかもしれない、なんて、そんなロマンチックな美学が母にあるとは思えないんだけども。
とりあえず、僕は元気です。風邪などひかずがんばってます。

新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

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