〜岡本太郎現代芸術賞展〜の巻
2017/08/22
昨日は岡本太郎美術館に行ってきた。お目当ては2月7日から始まった今日のタイトルの展覧会である。
なんだか久々にしっかりといわゆる感性を刺激された気がする。おお~、おもしろいですね~、と同時に悔しいですね~、いやいや全員まとめて飛び超えてやるんだと鼻息荒く入選した21作品を早足をメインに抜き足差し足忍び足でねめつけてやりました。そうそう、淀川テクニックさんも入選されてました。
へぇ~、淀テクさんみたいな立場になっても公募展に応募したりするんだなあ、と、作品云々よりもそのことが興味深かった。
一応レポート的なことを書いておくと、今回僕が一番好きだなあと思った作品は「ずり落ちた母子は飯に突き刺さる(タイトル若干間違ってるかもしんないけどニュアンスは絶対合ってる)」っていう、木彫の作品。
僕は基本的に立体作品というやつが好きじゃないんだけど(省スペースを好む僕としては立体は単純に邪魔だから。その点平面は限りなく省スペースでいい)、その立体はなぜだか気にいった。
着物というかちゃんちゃんこというかとにかくは古風ないでたちの母が子を背負ってんだけどそれが母の顔のど真ん中あたりから斜めにズバッと切り落とされてて、切り落とされた部分が下の方に作られたFRP製の白米の中にぶっ刺さっている。
まあそんな作品で、ネットで調べたら出てくるかもしんない、けど、見に行って損はない展覧会だと思うので足を運ぶが吉祥寺。
そして今日の画像は今回大賞を取った若木くるみさんの作品とその本人。会期中は毎日居て後頭部の剃り上げた部分に、観客に自由に顔を書いてもらうらしい、が、僕がその作品の前にたどり着いた時には若木さんは帰ろうとしていて、なぜだか「あっ、すいません、もう終わりなんです」とかいう言葉から、なぜだかちょっと話し込んでしまった。
僕「毎日来るって、結構会期長くないですか?」
若木さん「そうなんですよー、4月まであるんですよー」
僕「学生さんですか?」
若木さん「いえもう卒業しました」
僕「その間って仕事とか大丈夫なんですか?」
若木さん「ガチで無職です。もう後戻りできません」
笑
というような話で、今まで反応の悪かったギャラリストらが今回の受賞で態度がコロッと変わったというようなことを言っていた。でまあ良く知らないけど美術界はきっと狭いのでまた会うこともあるかもしれないなということでART DIS FOR名刺を渡しておいた。
「また来てくださいね~」
なんて言って見送ってくれた彼女の笑顔には「これが芸術なのだ!」というような気負いや難渋さはまるで感じられず、彼女本人が言っていたが「今回はまぐれです~、次のネタがありません~」 というどこまでも等身大な創作意欲しか見いだせないのであった、て、おれ何言ってんのかよくわかんないね。
あ、樋口に連絡。その展覧会のペア招待券あるから、誰かと行くんならあげるよー 連絡はこちらまで。ドットコム
広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。
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