あなたの仕事(展覧会の企画について)
2020/08/19
本日は思うところあり、物申すべくブログを書く。
それは東京都美術館にて、2018年7月21日~10月8日まで開催される「BENTO おべんとう展―食べる・集う・つながるデザイン」についてである。
内容はよく知らないし、知る気もない。しかしこのタイトルで展示をするにあたって、なぜ私に声が掛からないのかと、私は思う。というより憤っている。
なぜなら私は2016年より、その名も「BENTO」シリーズという絵画作品を制作しているからである。
BENTO シリーズ
https://tomonishintaku.com/works/bento.html
この作品は、作家自らが弁当を作り、食べ、それを絵画作品として描き起こすというもので、それをひとつのミニマリズムとして提示している。
このような「まとも」な作品に、なぜ声を掛けないのか? 私は先の展示のキュレーターだか学芸員だかの感性を疑う。
おまえの経歴がしょぼいから呼ぶに呼べないんだよと言えば、そうなのかもしれない。あるいは作品自体がつまらないのかもしれない。しかし本シリーズは、京都の個展での発表や、タグボートにおける販売では完売が続いているし、また最近では韓国のアートフェアへの出品歴もある。
ピックアップするにあたって、なんら問題なく、現代見るべき作品だと自負している。仮にデザインという文脈で展示を組み立てるのだとしても、十分にフィットするポテンシャルもあるはずだ。
彼らの目は節穴なのだろうか。弁当というテーマで企画するにあたって、まさかネット検索で下調べのひとつもしないのだろうか? いやいや、この時代に、まさか、そんなばかな。しかし以下の検索結果を見ると、そう考えざるを得ない。
たとえば当方のBENTOシリーズのWEBサイトが、「弁当 美術家」で検索をかけると2位。「弁当 現代美術」でも2位。「弁当 現代アート」での検索に至っては1位である。(2018年7月11日現在)
昔、美術手帖で、あるギャラリストの言に憤ったのを思い出す。作家をどのように見つけているのかという質問に、紹介が一番多いと答えたのだ。
つまり口コミである。この無限大に広がるネットの世界を尻目に、前時代的な紹介に頼ってギャラリーを運営し、展示を組み立てているのである。
にわかには信じがたいが、これが真実なのだろう。今回の一件で、勝手な独り相撲であることは百も承知ではあるが、日本の美術界には失望した。
広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。
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