コロナ禍の終息を願うは幸福の終息を願うに同じ

  2021/02/07

すべてのモノゴトには始まりがあり、終わりがある。

この真理に異論のある人はいないと思う。というか、ケチをつけられる人さえいない。

人は生まれれば死ぬ。それとまったく同じ話で、私もあなたも、とにもかくにも死ななければならない。

すべてのモノゴトには始まりがあり、終わりがある。これは絶対の真理。

コロナという単語が、状況が、日常になって、新しい日常とかいうものになって、一年以上が経つ。

みんな、はじめはちょっとしたトラブル、たとえば東日本大震災の原発事故くらいに思っていたけれど、いよいよそんなレベルじゃない話になってきた。いや、皮肉を言っているだけなので、フクシマを軽視しているとか、そういう勘違いはしないでほしい。

禍福は糾える縄の如しという。良いことも悪いことも地続きで、きっと、神様にとっては、すべてのモノゴトに良いも悪いもない。ただ、ただ、モノゴトがあるだけ。

コロナ禍の終息を願えば、きっと終わる。というか、願わなくても、ワクチンがなくても、特効薬ができなくても、絶対に終わる。

それはべつに、人々の思いが届いたとか、そういう話ではなくて、単に、すべてのモノゴトは、始まれば、必ず終わるだけの話。

繰り返すが、良いも悪いもない。ただ単に、人間が、それを良いとか悪いとか、自分たちの都合次第でジャッジして文句をたれているだけであって、モノゴトそれ自体に、良いも悪いもない。

塞翁が馬とも言う。コロナ禍が終われば――終わったように感じられた時には――人々はきっとホッとして、幸せを謳歌するだろう。

しかしもちろん、その幸せも遅かれ早かれ終わる。何をどう頑張っても、必ず終わる。

止まない雨はないと、だれだったかロマンチックな人は言った。であれば当然、沈まない太陽もない。

とても滑稽だと思う。コロナ禍の終息を願うのは結構だが、それはまったく、諸行無常を願うのと変わりがない。大丈夫。あんたやてめえが深刻ヅラして願わくても、絶対に終わるから。大丈夫。心配ない。

逆に、コロナ禍が永遠に続きますように。それがもしも叶ったら、ああ、世界はひっくり返っちゃったんだな、私が間違ってたんだなって、土下座もなんの、平謝りに謝りたいけど、死ぬまで謝らないというか、謝れないから。残念だけど。

新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家/WEBデザイナー/合同会社シンタク代表。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

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