ほぼエッセイ、ときどき現代の美術とアート。

無人島プロダクションでプレゼン

  2020/02/27

つまり、どこにも行きたくない-F1000811.jpg

昨日は無人島プロダクションにART DIS FORでプレゼンをしにいった。

いろいろ人間関係とかギャラリー間の渡り歩きの是非とかあるだろうから本来なら名前は伏せとくつもりだったんだけどかなり感動した出来事があったので名前を出してちゃんと書きたいと思ったのでそうする。

ちなみに無人島プロダクションというのは広島の空にピカッと飛行機で描いたchim↑pomが所属しているギャラリーである。樋口と相談してあそこはいいんじゃないのかということでアポを取り、二枚で一組の対になっている30号の作品と、くたばれ東京藝大とショッピングの作品ファイルを持って行った。

まあ結論からいうと無人島プロダクションと組むことはできなかったんだけど、いろいろ話してもらって本当に勉強になった。

オーナーの藤城さんとアシスタントの野田さん、そしてART DIS FORと、僕らの作品を並べて4人で一時間くらい笑いを交えながら(ほとんど笑っていたような気もする)お話させていただいた。

もらったアドバイスや問題点はいろいろあるけど、あえてそれは書かない。それは僕らの中でしっかり消化して作品に生かすつもりだから。で、今日はこれで失礼しますという段になった。

「ここで作品梱包していってもいいよ」と藤城さんが言う。僕はそうしようかと樋口に目配せして、作品に手をかけた。「梱包材は?」藤城さんが言った。

樋口が“レジャーシート”を取り出そうとして、しかしそれを見た藤城さんは呆れ顔で「そんなんじゃだめよ」と厳しい口調で言った。アシスタントの野田さんに「なんとか紙を持ってきて」と言った。

野田さんが1メートルくらいの長さの紙のロールを持ってきた。それで作品を包み、裏側でマスキングテープで止めた。その紙はちょうどパウンドケーキなどを焼くときに使うクッキングシートのような薄い紙で、おそらくは絵の具がエアパックなどビニールに張り付いて絵画が傷ついてしまわないようにする効果があるんだろう。

要領を得なくて突っ立っている僕らの足元で、藤城さんと野田さんは手際よく僕らの作品を梱包していった。その紙のあとには10メートル巻きくらいのエアパックのロールが出てきて、僕らの作品はこれでもかという丁重さで梱包された。しかもマスキングテープの端は剥がしやすいように端は折り返されていて、僕らはほとんど目が点になっていた。

僕らは大学の時から、初めて公募展に出品したあの日から、ずっと絵画を搬入するときは“レジャーシート(ビニールシート)”で包んでいて、それは僕らにとって当たり前だった。たぶん、どこかで自分たちの作品を“価値あるもの”とは思えていなかったんだろうと思う。いや実際今だってたいした価値があるようには思えなかったりする。

梱包を終えた藤城さんが言った。
「これが商売道具なんだから」
その言葉に、ぼくはこれでもかと感銘を受けた。

僕らの問題はそもそもそういうことなのかもしれない。僕らにとって絵は商売道具なのだ。どこに自分の料理を無碍にする料理人がいるだろう。なにをするにしても“意識”、それが大切なんじゃないか。

何か、とにかく、もっと頑張ろうと思った。もっと、やれるはずだと思った。目からウロコが観念である以上、ウロコの数に限りはないのだ。

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