グループ展「2020年の栄光」YUMI ADACHI CONTEMPORARY/あをば荘(東京) 2020/12/19-2021/1/10
東京のYUMI ADACHI CONTEMPORARY(アートコンプレックス文華連邦内)とあをば荘でにて開催されるグループ展「2020年の栄光」に参加いたします。
- 展覧会名:2020年の栄光
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会期:2020年12月19日(土) - 2021年1月10日(日)
【緊急開催】関連トークイベント「PARALLEL NORMAL 2020」
日 時:12/25(金) 20:00よりスタート
会 場:float(東京都墨田区文花2-6-3)
ゲスト:中島晴矢(アーティスト)
登 壇:三原回(アーティスト)、出展作家
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時間:14:00-20:00 ※会期中の土・日のみオープン(1月2、3日は休廊)
- 観覧料:¥500(再入場無料)
- 会場:第1会場:YUMI ADACHI CONTEMPORARY / 第2会場:あをば荘 〒131-0044 東京都墨田区文花1-12-12 Google Map
- 参加作家: 硬軟/斎藤英理/新宅睦仁/ TYM344 / 平田尚也 / 間庭裕基 / 三原回
- Webサイト:http://mihalab.jp
以下は本展の概要である。
本展は2020年の東京オリンピックを“盛り上げる”ための架空のプロパガンダ美術によって構成される展覧会です。
2020年オリンピックの東京開催が決まったとき、かつての1964年大会がそうであったように、多くのアーティストが宣伝美術に大々的に起用されることを想像していた美術関係者は多かったことでしょう。
そして1964年大会同様、その選ばれし一部のアーティストたちのことを半ば羨みながら「あいつは権力に魂を売った」と選ばれなかった者たちが毒づく、そんな対立構造が生まれることを想像したのではないでしょうか。むしろその愚痴を酒の肴として盛り上がることを期待していたアーティストも多かったのではないでしょうか。
しかし現実はもっと残酷でした。
実際の宣伝はタレントやアイドルなどを起用したエンタメが中心で、アーティストの起用はほとんどなく、期待していたような対立構造などそもそも起こりようがありませんでした。アートは初めから蚊帳の外だったのです。
本展ではアーティストによる存在しなかった架空のプロパガンダ美術を提示すると同時に、選ばれなかったアーティストたちによって繰り広げらたはずの、これまた存在しなかった(二重の意味で!ああ、ソーシャルディスタンス!)やけ酒に思いを馳せます。
COVID-19のパンデミックにより1 年の延期が決まり、2021年の開催も不可能ではないかとの見方が強い東京オリンピックですが、「TOKYO 2020」という刻印は、あり得たはずのあらゆる過去と未来の可能性の中心に刻まれ、パラレルなレイヤー、グラデーションへと枝分かれしていきます。企画:YUMI ADACHI CONTEMPORARY
私は以下のJapanize!シリーズから4点と新作インスタレーション「コロナ禍に巻き込まれたキリストは、アダムとイヴに中国語でダイイングメッセージを残す」を展示しております。
Japanize!(キムチ/韓国) 2015年 パネルにモンバル紙、水彩 26×39cm
Japanize!(ソーセージ/ドイツ) 2015年 パネルにモンバル紙、水彩 26×39cm
Japanize!(ケバブ/トルコ) 2015年 パネルにモンバル紙、水彩 26×39cm
Japanize!(ギョーザ/中国) 2015年 パネルにモンバル紙、水彩 26×39cm
コロナ禍に巻き込まれたキリストは、アダムとイヴに中国語でダイイングメッセージを残す
転載元:@sekinemajp
コロナ禍に巻き込まれたキリストは、アダムとイヴに中国語でダイイングメッセージを残す 2020年 厚生労働省・東京空港検疫所支所発行のCOVID-19指定地域滞在歴の証明書、新型コロナのPCR検査結果用紙、立ち入り禁止テープ、プラスチック番号札、チョーク、アクリル絵具、食べかけのりんご、真空パック、犬用骨型ガム、ハブ入りハブ酒 サイズ可変
コンセプト
現地時間2020年9月29日に一年半ほど住んだLAを発ち、日本の羽田空港に到着したのは10月1日の未明だった。私は海外からの帰国者で、つまり新型コロナウイルス保持の容疑がかけられていた。
ただちに日本国の定めた唾液によるPCR検査が行われた。陰性であった。しかしどうして、容疑は晴れない。選択の余地なく2週間の隔離を強いられる。では、陰性という検査結果は、いったい私の何を証明したのだろうか。
私はキリスト者であるせいか、そこに原罪のようなものを見た。海外へ行っていたことそれ自体が私の罪で、コロナウイルスのパンデミック発生以前から海外にいた私がこの災厄を避けるには、あるいは時間を巻き戻して選択を変更するかでもしない限り不可能だろう。つまりこれは、この世に生まれ落ちた瞬間から背負うことになる原罪と同じで、もはや私にはどうすることもできない。
本作は、以上のような実体験を、旧約聖書においてアダムとイヴが原罪を負うストーリーになぞらえたインスタレーションである。原罪は悪の権化であるヘビにそそのかされて知恵の実をかじってしまったアダムとイヴに始まる。これをそれぞれ、ヘビをハブ酒、アダムのあばら骨で作られたイヴを骨型の犬のエサ、海外帰国者である作家自身がかじったリンゴを知恵の実として表す。
壁面にはキリストが磔にされた十字架のシルエットを、そして頭上に掲げられた罪状書きとして、COVID-19指定地域滞在歴の証明書を掲げる。
私のコロナウイルス保持の容疑はいまだ晴れない。なぜなら、容疑を晴らすにはある日を起点にして14日間経過しなければならないが、その起点は息をして生きている以上、今日、明日、明後日と死ぬまで永遠に延長され続けるのだから、最終的に私が息絶えるまで疑いは決して晴れないということなのだ(正確には息絶えて14日後に初めて私の無罪が証明される)。
これは最後の最後まで救世主か否かを疑われ続け、処刑されて3日後に復活して初めてその疑いを晴らしたキリスト教の核となる物語と同じ構図ではないだろうか。この歴史的な事件を、同じく歴史的なコロナ禍という事件をオーバーラップさせ、世の下世話な事件現場同様に保存し、検証したい。
まったく収束する気配もないコロナ禍で、日々混沌としてゆく年の暮れではありますが、ぜひこの現在に対する挑戦的な展示をご高覧いただければ幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます。
広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。
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