溺れない恋愛
恋愛なんてものは、やらないに越したことはない。
酒やタバコと同じで、あれは身体に悪い。いやいや、恋愛をするとなんとかホルモンが出てお肌が云々なんてのたまう人は、算数ができない人だ。
一度でも恋愛をしたことがあれば誰でも知っているはずだ。うまくいっていない時の恋愛のストレスを。それを考えれば、恋愛が身体にいいわけがない。
酒やタバコにあれこれ理屈をつけて呑み続けるのと同じで、プラスと考えるのは妄想、プラスマイナスゼロと考えるのは楽観、基本マイナスだと考えるのが常識であって、公明正大なあなたの肌はしっかり荒れている。
最近の若者はえらい。恋愛をコスパが悪いと考えて消極的だそうである。実に賢明だ。素晴らしい。日本の将来は絶望的に明るい。
ただ、恋愛というものは、やりたくてするものではない。誰も好き好んで海や川で溺れるのではないのと一緒で、あくまでも事故なのである。むろん、事故を起こさないよう努力することはできる。しかし自ずと限界はあるから、やはり今年も数十人、悪ければ数百人が溺れ死ぬ。
ニュースを見よ。不注意や準備不足云々は問題の本質ではない。そもそも海や川には絶対に近づいてはいけないのだ。李下に冠を正さず、君子危うきに近寄らず、とにかくは近づいたが最後、確率論として事故は必ず起こる。
危ない。危なっかしくて見ていられない。気軽にどこへでものこのこと出かけて行ってしまう君のことが心配でならない。事故は起こってからでは遅いのだ。
しかし中には変わった人もいて、溺れるのが好きだという人もいる。もっと、溺れていなければ生きている甲斐がないと放言する人さえいるから、人間わからないものだ。
ちなみに私は変わり者である。先は長くないだろう。
広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。
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