春の芽吹きよホームレス
2017/08/22
すいません。何がすいませんって、今日は本当なら昨日の調理実習のレシピを掲載する予定だったんですが、それが昨日は"KKK長"(読める人は読めるよね?)の授業だったせいで、レシピではなくひたすらその"ソウル"、ええ、つまりまあ「料理は愛情!」というような精神論に終始した授業内容で、大さじも小さじもなく手計りで感じろ!舌で感じろ!指でなめろ!とかいう感じたったもんでレシピらしいレシピがないんです。ちなみに昨日のお題は「大根づくし」。大根ステーキ、大根飯、大根サラダ、大根のお浸し?とか、とにかくはオールナイト大根、だったわけです。画像はあるけどレシピがない!おいKKK長!日本の文化が素晴らしいのはよかわかったけどな、あんな授業ばかりだったらおれのブログが頓挫するんだよ!それじゃ困るんだよ! わかったな! ならいいよ。で、今朝、新宿ゴールデン街の横の小道に、ホームレスが居た。
ぼくはいつもその小道を通っているんだけど、小道の中ほどの石垣が少しくぼんだところに、毎朝そのホームレスはいる。新聞紙を座布団にして、座っている。"自分の席"だとでも言わんばかりに、いつも正確に彼はその位置にいる。雨の日以外は。しかし最近はめっきり見かけなかった。まあ冬だし普通に寒いから、地下街とか、どこかに退避していたんだろうことは容易に想像がつく。もしくは野垂れ死んだか、というのは実際よくある話で。その彼が久しぶりに居た。いつもの定位置に。たしかに最近、ようやくあたたかくなってきたから、それで虫や土筆と同じように、ひょっこりと顔を出したのだろう。彼の顔はいくぶん浅黒くなっている気がした。ぼうっと、過去も未来も現在もなく今さっきから存在し始めたという感じで、どこから持ってきたのかシケモクではないタバコをふかしていた。決して美しくはない彼にぼくは、久しぶり、と思った。ああ、春がきたんだな、とも。寒かったやろ、おつかれさん、とも、思った。思っただけだよ。
広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。
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2007年より開始。実体験に基づいたノンフィクション的なエッセイを執筆。アクセス数も途切れず年々微増。不定期更新。
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2019年より開始。もともと英語の勉強のために始めたが、今ではすっかり純粋な日記。呆れるほど普通の内容なので、新宅に興味がない人は読んで一切おもしろくない。
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2020年より開始。ロスのホームレスとのアートプロジェクトでYouTubeに動画をアップしたところ、知人にトークが面白いと言われたことをきっかけにスタート。その後、死ぬまで毎日更新することとし、コンテンツ自体を現代アートとして継続中。
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