鯵のさんがのレシピ

  2017/08/22

そういえば、鯵を使ったレシピは"なめろう"ではありませんでした。"さんが"でした。という昨日の調理実習の話。
まず、ぼくを含め"さんが"っていったいなんなわけ? という方への説明。千葉県寒川地区発祥の料理。寒川が「さんが」に変わったという説と、山仕事にももっていくの「山家」という名になったともいわれる。
魚のたたき身に濃いみそ味をつけて、具殻に詰めて焼いたり、フライパンで焼いたりする。
だそうです。反論の余地は一切なく、そういうことなんだそうです。反論する必要もないけど。では、その鯵のさんがの料理レシピは…………………………………………コチラだ!!!!▼材料(4人分)
【さんが】
鯵:8尾
長ネギ:1/2本
生姜:適量
大葉:1束
卵:1個
信州味噌:大さじ2〜
酒:大さじ1大根:1/6本
れもん:1/4個
▼作り方
(1)しょうがはスプーンで皮をむき、みじん切り。
(2)5センチくらいに長ネギを切り、皮を4枚くらいむく。それを千切りに。残りはみじん切り。
(3)大葉はきれいなものを4枚、盛り付けのために取っておき、残りはみじん切り。
(4)レモンをしぼりやすい形に切る。
(5)鯵の三枚におろし、身を包丁でよく叩きみじん切りにする。
(6)(5)に味噌、卵、酒、みじん切りにしたしょうが・大葉・長ネギを加え、よく混ぜる。
(7)オーブンの角皿に、アルミホイルを一度丸めて伸ばしたものをしく。
(8)その上に(6)を包丁かゴムべらで四角く平らに伸ばし、形を整える。
(9)オーブン200℃で、様子を見ながら中に火が通るまで焼くきあげる。
(10)食べやすい大きさ(一口大)に切り分け、そめおろし(大根おろしを山形にし醤油をかけたもの)、レモン、大葉をそえて出来上がり。
★ポイント
・レモンは果汁が出やすいように、切り口の先端の皮を切っておく。
・クッキングシートでもよいが、その場合は焦げないように下に大根の皮を角皿に敷き、その上にクッキングシートを載せる。
・切った魚を置くとき、皮と身を合わせて置かない。必ず「皮と皮」か「身と身」を合わせる。(皮の生臭みが身に移ってしまうため)
・材料に鯵は8尾とありますが、4尾くらいでも十分な気がします。そんなにたくさん食べるものでもないと思うので。
なんかただの"いわしハンバーグ"という気がしなくもないけど、まあ、四角く羊羹みたく切ると上品には見える。し、お正月っぽくもある。もう過ぎたけど。
で、このお料理、師いわく漁師の料理ということで、豪快というかおおざっぱに作るものなんだそうですが、どう考えても豪快な料理には見えません。むしろ繊細です。それとも昔の漁師はそれほどまでに繊細だったのか? そして現代のわれわれはそこまで適当になってしまったのか? 謎だ。謎の多い時代だ。というか、ここ数年よく耳にするようになった自己紹介のあいさつ、「"わからないことだらけ"ですが、よろしくお願いします」っていう言い回し、頭が悪そうでしょうがない、と思う、少なくともぼくは。あなたは? きみは? そなたは?
ていうか、ぼくは思うんだよ。ある人に対して。ヴロンスキーもカレーニンもアンナも、みんな本当はまっとうな人間だし、それぞれが正しいし、でも、正しすぎて悲しい。そういう、時間とか、タイミングとか、空間とかを与えたのはきっと神様で、またそれを救うのも神様で、すがるのも神様で、だとしたら神様なんていない。いや、矢沢あいじゃなくて、天使なんかじゃ…。寝ろ、自分。

新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

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