死んでもいいとは思うのだけれど

  2017/08/22

新年早々と人はいう。しかし、なにが早々で、なんの意味があるのか。

いや、別に怒ってはいない。どうでもいいけれども、今年は日めくりカレンダーを買ってみたわたしである。

むろん、今日は二日なので、すでに一枚めくった。一日が破れ消え去った感じがよい。とても、よい。

それはともかく、いまさらながら、おれっていう人間はなんて性根が真面目な人間なんだろうかと思う。

昨日も、今日もランニングをした。昨日も、今日も絵を描いた(それぞれ四時間しか描いてないが。)。

だれも見ていない、誰にとがめられるわけでもない。つまり、わたしは自由である。

自由であるのにも関わらず、しっかりと自分の為すべきこと、為したいことを、しっかりとやっている。

えらい。えらすぎる。自分という人間にブラボーとテキーラを送りたい。

とか言いつつ、本心は実は抑圧されているらしい。というのも、刑務所に入る夢を見たのである。

何か、嘘をついて、刑務所に入ることになった。二週間。

警察の人に、親に電話するように言われたのだが、なかなかできなかった。

苦しかった。親に申し訳なくてしかたがなかった。二週間の刑期など、ごく軽犯罪の部類に違いないのに、親が悲しむ顔が目に浮かんで、どうにも申し訳がなくて、苦しかった。夢の中。

刑務所の夢は、自由への願望らしい。

おまえ以上の自由がどこにあるんじゃいという気もするが、ぼくのいろいろを知っているひとは、きっとぼくの夢の意味をわかってくれるだろう。

まあ、そう、自由になりたい。

安っぽいセリフだが、おれはなんのために生まれてきたのか。

少なくとも、誰かに嫌な思いをさせるためではないはずだ。

ぼくは、だれかを幸せにすべきであり、できる人間なのだ。

いや、ひとり、酔っ払っている。

あけましておめでとう。今年もよろしく、ではなく、今年はさようなら。

さようなら。いま現在、ぼくと細くつながっている、今後は二度と会わないだろう人たち。

さようなら。の準備を始めた今日この頃である。

性格もあるが、つくづく、大切なものは少ないと思う。

身辺整理2013。

新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

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