ザ・ひとり焼肉デビュー

最終更新: 2017/08/22

今日は妙に暖かい。でもいやな暖かさ。電車内でよくない汗をかいてしまった。じっとり、ぬめぬめ、すごいいやな汗。

せっかく珍しく朝からランニングをして良い汗を流したっていうのに、台無し。濃い朝もやの中、多摩川沿いを走るって、すごく気分がよかったのに。

しかし久しぶりに走ってみると体力が落ちてしまっていることを痛感する。サボると、やはりちゃんとツケが回ってくるもので、まったく身体ってやつはどうしてこうも正直なんだろう。仕方ないから本能のままに生きることにする。ポリ公に捕まらない程度に。ってポリ公って単語、ひさびさ思いだした。なんて恥ずかしい単語だ。ポリ公にびびんなよ! ポリ公とか楽勝よ! とか誰か言ってたっけな。

では本題に入らせていただきます。

昨日とても元気がなかったぼくは、どうにかして元気になろうと思った挙句、「やけ食い」という行動に照準を定めたわけです。そう、目いっぱい腹一杯にして寝てしまおうという、よくあるアレです。で、ぼくはひとり「らーめんはうす」(とにかく大盛りが半端ない店)に向かったわけです。でも途中で焼肉屋がふっと目に入ってですね、「たまには焼肉でも……食ってみるか」と、おひとりさまでどこにでも行けるぼくは、初めてのひとり焼肉デビューとあいなったわけでございます。

補足説明しておくと、ぼくはそもそも焼肉が好きではありません。なぜって肉々しすぎるから。それに自分で焼かなくちゃいけないのがめんどくさいから。それならいっそ野菜炒めで持ってきてくれというタイプなんです。

でも焼肉って、みんなよく言うじゃない。みんなって誰だよって感じだけど、みんなはみんなです。元気を出したいから焼肉とか、焼肉食べたら元気出たとか、つまりディズニーランドに行ったら夢の国に癒された〜、癒される〜、日常を忘れる〜(これまた行ったことないけど)、みたいなごく一般的なイメージに乗っ取って、焼肉を食べることにしたわけです。

いざ焼肉をひとり食わん。

で、画像がひとり焼肉を写メる僕の眼球が見た光景です。

ジュ〜、ジュジュ〜。

元気は、それほどでない。美味くも、それほどない。自分で肉をのせたり野菜をのせたり、焼き加減を見張りつつ、焼けたとみるやすかさずタレをつけ口に運びモグモグ、そして矢継早にビールで流し込みグビグビ、味わおうとウムウムあごを撫でるも、そうこうしているうちにジャンジャン他の肉も焼けて、食べなきゃ、焼かなきゃ、飲まなきゃ、焼けてる、焦げる、焦げてる、食べなきゃ、飲まなきゃ、それに物思いにもふけらなきゃ、ということでとにかく忙しいんだよ焼肉! これじゃまるでひとりワニワニパニックじゃないか! 何しにきたんだおれは! 落ち着いて飲み食いさせてくれ!

結論として、焼肉はやはりめんどくさい。なんで店に行って自分で調理しないといけないのかわからない。そしてなんでそんなに世の人々が焼肉焼肉と喜ぶのかもわからない。油は散るし服はくさくなるし携帯の画面は油滴でまだらになってるし。

とか言いつつも、自分の中にしっかりと「ひとり焼肉」という新たな選択肢ができたことだけは確かである。

またそういう気分の日には、ひとり焼肉に行くだろうぼくは、つぎのおひとりさま行動として「ひとりカラオケ」に行くタイミングを虎視眈々とうかがっているのである。

ひとりで黒夢を熱唱するのである。「〜狂ってぇいぃぃるぅぅぅ〜、狂ってぇいぃぃるぅぅぅ〜」と、気の済むまでやりたいのである。

ぼくはもう、ひとりでどこへでも行く。そして物思いにふける。ふけりたい。ああ、おひとりさま。

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新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

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