美術家 新宅睦仁のブログ。ほぼエッセイ、ときどき現代の美術とアート。

「ヒミズ」と「バス174」を見た。

    2017/08/22

昨日は淡々と、しかし充実した一日を過ごした。絵の制作は4ゲーム、ランニング、そして「バス174」という映画を見て21時就寝。3時起床。からの今朝1ゲーム。

やってることはやってるのだが、実際のところ、もっと頑張らないと作品が間に合わないと思うんですけど自分、と思う。ちゃんと予定立ててこの作品は何日間で仕上げるとか決めて仕事をしないといけないと思うのだが、なんだかんだまだ二ヶ月もあるしと甘えてぼかしてしまっている、怠惰な自分である。

画像はそうとう久しぶりにお店で食べた味噌ラーメン。そうとう前からお店でちゃんとしたラーメンが食べたいと思っていたのだが、いざ食べてみると別に食べなくてもよかったなあという気がしてくるから不思議だ。二枚目はお好み焼き地獄を抜け出してからのトマトパスタ。まったくパスタに関しては相当うまくなったよなあ、なんてひとりごちる。がしかし、学校で学んだ技術・知識が茹でる時の塩分量くらいでしか活かされていないのが悲しいところではある。

ちなみに今日からはレバーペーストやアボカドペーストなど、パンにつけるペースト作りにしばらく没頭するつもりである。

さて、「バス174」の前日にはたぶん話題作であろうヒミズを見た。いや、いまさらかもしれないが。何を隠そう「愛のむきだし」の園子温監督作品である。と言いつつまだ見てないけど。近いうちに愛のむきだしも見よう。というかいま初めて園子温の読み方を知った。勝手に「ソノコ アツコ」なんていうアッチコッチみたいな読み方だと思ってたが、「ソノ シオン」なのね。へーへーへー。

まずヒミズについては、まあよかった。しかしストーリーはあってないようなものな気がした。殴った、殴られた、金を盗んだ、金を返した。殺した、殺された、云々という短い出来事の連続に過ぎないようにも感じられた。というか、あれは福島の原発事故を重ねる必要はあったのか、否か。何かで監督の園子温のヒミズについてのコメントを読んだが、制作中に原発事故が起こり、それで絡めるかどうか悩んだが、この原発事故を無視して描く方が不自然だと考えて組み入れたとか、なんとか。

個人の絶望と福島の絶望とを重ね合わせていたのだろう。とすると、やけに何度も歩行者を切りつけるような無差別殺人的な場面が出てくるが、あれは「無防備で無抵抗な人々に突然襲ってきた地震・原発事故」を表現していたのだろうか。

まあ、どう重ねたっていいと思うのだが、ダイシンサイ、フクシマ、ゲンパツ、ホウシャノウ、これらの言葉を繰り返せば繰り返すほど、実態が雲散霧消してしまい、ただただあいまいな、そして月並みな「なにか大変な出来事」にしか過ぎないように思われてくるのは何故だろう。その感じは、ヒロシマ、ピカドン、ゲンバクドーム、というような言葉に通ずるものがある。

すごくよく知ってるような気がするのだけれど、よくよく考えてみるとなにがなんだかよくわからない、というような。

盲目な危機感、作業的な黙とう、それよりも気になるのは今日のお昼ご飯は何を食べようかなんてことだったりして。

「バス174」については、虐げられる少年少女ストリートチルドレン、その一人の少年の荒んだ日々の行く末がバスジャックして警官に射殺されるという、実際にブラジルで起こった事件のドキュメンタリー映画。不幸な境遇に生まれ育ってしまった少年という点でやけにヒミズとリンクしていて、本人の力ではどうしようもない境遇ってあるよなあと、つくづく思った。

素直さとか、優しさとか、希望とか、そういうのって、健全な環境があって初めて培われるものなんだろう。いや、袖すりあう程度の道行く赤の他人も含め、その子にかかわるすべての大人が、ほんの少しずつでも、それらを見せてあげられれば、全然違ってくるような気がする。って、こんな甘ったるい考えこそ、恵まれた家庭環境に培われた、ある幸福な育ち方をした人間のきれいごとにしか過ぎないのかもしれないが。

新宅 睦仁

1982広島県生/2005九州産業大学卒/2013新宿調理師専門学校卒/現代美術家/シンガポール在住のカトリック。牛丼やカップヌードル、コンビニ弁当等、食物をテーマに作品を制作している。無類の居酒屋好き。

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