赤瀬川原平の本を読み進めている

  2017/08/22

つまり、どこにも行きたくない-sだsだd
料理だけじゃなく、しっかり絵も描いてます。多忙です。しかし努力の甲斐あってちょっとずつクオリティが上がってきました。この絵、「本物みたいだなあ」という古典的で素朴な喜びが描いてて楽しいんです。
僕は純粋な意味で絵がうまくなりたい。とにかくは技術。嫌いだったデッサンも最近は真面目にもう一回やりたいなあと思ってたりする。aromuさんが不定期に開いているというデッサン会にも一度くらいは顔を出してみたいなあ、と目論見中。
閑話休題。
なんか最近引用ばかりしてるけど今日も懲りずに引用しちゃう、すいません。
なんというか「ブログに何か実のあることを書くぞ!」と意識して毎日を過ごしてると、何も無いよりもちょっとだけ高い意識で生きられる気がする。
そして誰かの文を引用してそれについての考察を書くことで、引用したいと思ったその文をなぜ面白いと思ったのかを改めて考えられるし、引用文をもとに考える行為をすることで自分自身の考え方の幅が広がるような気がするし、その中で新しいアイデアを見つけるかもしれないし、なにより賢くなる気がするから、とりあえずは飽きるまで引用して広げるスタイルを続けようかなと思ってます。
で、今日の「ご本」は光文社より出ている赤瀬川原平著「日本にある世界の名画入門」です。
以下引用。
ぼくは買いたいか、そうでもないか、というのを絵を見る尺度にしている。もちろんとても、そんな何億もの大金はない。でももし大金があれば、それを支払う用意はある、いざというときには好きな絵を買う準備だけはしておかないといけない。というのは半分叶わぬ冗談ではあるのだけど、それがいちばんよい絵の見方だと思っている。
若いころは買うなんて思わなかった。金のないのはいつも同じだとしても、若いころは思想で絵を見ていた。見ていたつもりなのだけど、思想では何も見えなくなってしまった。それに代わって「欲しい」という気持ちがふくらんできた。
引用終わり。
誰かもこの“欲しいor欲しくない”の基準で作品を見てるって言ってた気がするけど誰だったか思い出せない。
確かその人は美術館など歩く時でも“買いたいか買いたくないか”で見ると作品がもっと楽しめるようになるとか言っていた、たぶん。
とりあえず僕としてはこの“欲しいor欲しくない”の判断基準に賛成である。
なぜかというと一般的な普通の生活をしている人たちにとっての価値観や感覚に則っており、とても理解しやすい判断基準だと思うからだ。
普通の現代人ならば、毎日いろんなお店に行き、いろんなものを買う。毎日毎日おびただしい“欲しいor欲しくない”の選択を繰り返して生活している。
だから“欲しいor欲しくない”の判断力というのは普通に生活している人ならば大変な精度を持っているものだと思う。
その目があれば、奇抜なファッションだって、斬新なデザインの家具だって、“欲しいor欲しくない”の基準でしっかり良し悪しを判断できるのである。また事実ちゃんと判断できているからこそ、買う人は買うし買わない人は買わない、つまり街を闊歩するすべての人が奇抜な服装になるなんてことは万が一にも有り得ないのである。
それは一重にみんながみんなちゃあんと価値観と判断力とを持ち得ているからなのである。
しかし“芸術はわからない”と人は言う。
それもそのはず、当たり前のような気がする。
“欲しいor欲しくない”の判断基準で日々を生きてるのに、美術にだけは急にまったく異質な尺度、色とか形とか精神性とか、おおまかに言って“芸術性”なんて引き合いに出されても困るのである。
と、いうふうに思うのである。だだだだと書いたから誤謬も多々あるかとは思いますがそこはご愛嬌。また今からクッキングパパです。芸術はわからん。

新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

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