説明はいらない
2017/08/22
画像の大竹伸郎著「ネオンと絵具箱」より引用。
「画家」になるというごく個人的かつ無謀な思いがイギリスへ渡る大きな切っ掛けではあったが、いつの時代もそんな思いにマニュアルやら世間の同情はない。
どんなに何を思い込もうができる限り絵や写真を残そうが、それが青春の一ページになることはあっても、その先の希望する未来につながる確証は何もない。
たとえ「火星」に身を置いてみたところで自分の思いがその先どのようにつながっているのかをあらかじめ知ることは出来ないし、考えてみればそれはかなり残酷なことでもある。
しかしだからこそ、その時の「今」が人の記憶の奥底に入り込むのだと思えるし、また様々な人々との出会いに予想外の彩りを与えるのに違いない。
引用終わり。
残酷な真実、だけど、だからこそ納得。
ある人が世に出る人はすべからく文章がうまいと言っていたが、確かにという気がする。
彼は文章がうまい。いや、引用した文章は内容に感銘を受けたんだけれども、全体的にうまい。
ちょっと、大竹伸郎を好きになる土曜日の朝。
広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。
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