言わずもがな、という言語

  2017/08/22

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雷が一日中くらい鳴っていた。雨もすごかったらしいけど、僕は外に出ていないのでよく知らない。
よく知らないうちにマンホールの下、下水道で作業中だった作業員が5人ほど流され、内一人は遺体となり、残る4人は行方不明、らしい。
同じ時間が、僕と彼らに等しく流れ、僕は今こうしてのん気に携帯をパチポツ、一方彼らはあの世か、水の底か、どこか。
帰ったら熱いシャワーを浴びる予定だったかもしれない。今日は子供の誕生日だったかもしれない。彼女とデートの約束でもしていたかもしれない。朝ケンカして、帰ったら謝ろうと思っていたかもしれない。
あるいはどうしようもなく何の予定も無く、帰ったらコンビニ弁当でも食ってセンズリこいて眠るだけだったかもしれない。
どうであれ、彼らは少なくとも今日、明日、明後日くらいは、もう無意識すぎるくらい無意識に、「生きてる」と思っていたはずだと思う。
「一寸先は闇という言葉のリアリティの無さ」こそが、人生と呼ばれるものの実体なのかもしれない、なんて。

新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

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