言わずもがな、という言語
2017/08/22
雷が一日中くらい鳴っていた。雨もすごかったらしいけど、僕は外に出ていないのでよく知らない。
よく知らないうちにマンホールの下、下水道で作業中だった作業員が5人ほど流され、内一人は遺体となり、残る4人は行方不明、らしい。
同じ時間が、僕と彼らに等しく流れ、僕は今こうしてのん気に携帯をパチポツ、一方彼らはあの世か、水の底か、どこか。
帰ったら熱いシャワーを浴びる予定だったかもしれない。今日は子供の誕生日だったかもしれない。彼女とデートの約束でもしていたかもしれない。朝ケンカして、帰ったら謝ろうと思っていたかもしれない。
あるいはどうしようもなく何の予定も無く、帰ったらコンビニ弁当でも食ってセンズリこいて眠るだけだったかもしれない。
どうであれ、彼らは少なくとも今日、明日、明後日くらいは、もう無意識すぎるくらい無意識に、「生きてる」と思っていたはずだと思う。
「一寸先は闇という言葉のリアリティの無さ」こそが、人生と呼ばれるものの実体なのかもしれない、なんて。
広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。
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2007年より開始。実体験に基づいたノンフィクション的なエッセイを執筆。アクセス数も途切れず年々微増。不定期更新。
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2019年より開始。もともと英語の勉強のために始めたが、今ではすっかり純粋な日記。呆れるほど普通の内容なので、新宅に興味がない人は読んで一切おもしろくない。
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2020年より開始。ロスのホームレスとのアートプロジェクトでYouTubeに動画をアップしたところ、知人にトークが面白いと言われたことをきっかけにスタート。その後、死ぬまで毎日更新することとし、コンテンツ自体を現代アートとして継続中。