脳のひだを指でなぞるような
2017/08/22
早朝4時頃に布団に入ったのだが、そこからが大変だった。寝たのか寝てないのかわからない。
夢を見た。母と父が何度も出てきた。特に母はほぼ全ての場面に居た。
新宿あたりの街角で母と出会う。母はいつもの笑顔で寄ってくる。おれは驚きながら「なんでこんなとこおるん?」と至極あたりまえの質問をする。すると母は僕の両腕をぐっとつかんで「なんじゃー!」と僕をぶっ壊そうとするような勢いでゆさぶる。僕は恐怖で目を覚ます。いま住んでいる一人暮らしの僕の部屋だった。
半身を起こし、辺りを見回す。さっきまで描いていた絵が壁にかかっていて、ああ確かに現実、僕の部屋だと確認する。しかし唐突に父と母が登場する。母はまた笑っていて、父はその母を見て爽やかに笑い返す。僕はまた母に疑問を投げかける。また襲いかかってくる。
場面変わる。3DKくらいの見知らぬ部屋に僕は横たわっている。やたらとリアルな恐怖感が残っている。今にも叫び出しそうな緊張が体の隅々に張り巡らされていた。
また母が出てくる。僕はもうその頃にはこれは夢だとはっきり認識していた。「これは夢だろ?」とか母に問いかけると、やっぱり母はイってる顔になって僕を激しくゆさぶる。また場面変わる。
何度も目覚めたような感覚があった。今度こそ本当に現実に目覚めたんだと強く感じた。しかしそれは何度も夢で、僕は目を覚ますたびに恐怖感を深めていった。だんだんとその目覚めをコントロールできるようにもなっていた。「これは夢だ、体のどこかを無理やりに動かせば起きられるんだ」しかし出口のないような夢は何度も反復された。僕は明らかに疲弊していった。
広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。
ご支援のお願い
もし当ブログになんらかの価値を感じていただけましたら、以下のいずれかの方法でご支援いただけますと幸いです。
Amazonギフト券で支援する
→送信先 info@tomonishintaku.com
ブログ一覧
-
ブログ「むろん、どこにも行きたくない。」
2007年より開始。実体験に基づいたノンフィクション的なエッセイを執筆。アクセス数も途切れず年々微増。不定期更新。
-
英語日記ブログ「Really Diary」
2019年より開始。もともと英語の勉強のために始めたが、今ではすっかり純粋な日記。呆れるほど普通の内容なので、新宅に興味がない人は読んで一切おもしろくない。
-
音声ブログ「まだ、死んでない。」
2020年より開始。ロスのホームレスとのアートプロジェクトでYouTubeに動画をアップしたところ、知人にトークが面白いと言われたことをきっかけにスタート。その後、死ぬまで毎日更新することとし、コンテンツ自体を現代アートとして継続中。
- 前の記事
- なにもかも思案の外
- 次の記事
- 空気を精読しようとする人々は