絵描きの生活の苦悩を知るべし
2017/08/22
と、仰々しいタイトルつけたけど別にそんなことについて論じる気はなくて、画像の通りひとりセルフタイマーでピースしてみたりして楽しくやってる、よ。
今日はかなり久しぶりに出張で父が東京に来てて、おきまりの飯でも食おうかー、とのことなので父が宿を取っている町田へと向かい中。
うーむ、特に話すことが見当たらないなあ、というのも僕が話したいのはいつでも“成果”であり、日々のよもやま話などはそれほどしたくもないからである。
たぶんそれは父に「立派になったなあ」と思われたいからに他ならない。
基本的には優しすぎる甘すぎる父なのだが、なぜだか父は人を誉めないのだ。殊に絵を描く僕のことに関してはまったくと言っていいほど誉めない、し、そもそも反応が薄い。だからよけいに僕はほめられたいのかもしれない。
でも、ああ、いやいや今回は成果はちゃんとあった。貸しじゃなくコマーシャルギャラリーで個展ができそうだよ、って。
でもプラスチック成形を専門とするエンジニアの父はきっとさほど興味なさそうに、むしろぼんやりと僕の将来を憂いた目をして「ほうか」と言うぐらいだろうな。
そして今日の話題のメインディッシュはおそらく北朝鮮のテポドンの話で、あれやこれやと社会情勢を早口でしゃべくってくれるんだろう。
素敵な親子、と言えばいえなくもないが、父は僕に似て、じゃなく僕は父に似て、興味のある話にはとことん食いつくけど興味のないことに関しては「へえ」「ふうん」「はあ」とリアクションが劣悪なことこの上ないのである。
だから人からわかりやすい性格だと言われる。
それじゃあ父もわかりやすいのか? と言えばここは微妙に違ってて、昭和の男性理想像と言いましょうか、なにか頑なに口を閉ざしよくわからないとこがある、ので、困りもの。
しかしちょっと考え方を変えればこんなわかりやすい“進化”もない。
ややわかりやすかった父からわかりやすい僕が生まれ、多分ぼくの子供は“まったく秘密を持てない”わかりやすすぎる人間になり、さらにその子供のわかりやすさときたらほとんど阿呆と呼べそうなものになりそうだ。
でまあ、阿呆の因子がここにある、と。
広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。
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