真剣に犬畜生

最終更新: 2017/08/22

前に立っている女性のマフラーだかストールだかの製品表示が外に飛び出し過ぎている。なんだろう、文字が印刷されているそれは本体よりも強くてやけに目立つ。取り方によっては、それは懐具合の露出にはならないだろうか。それで僕はひとり身勝手に彼女を値踏みする。

家はどの程度だろうベッドのシーツは清潔だろうか洗濯機は乾燥機と一緒になっているやつか給料日を待ちわびるような生活はしていないかエステにはジムにはそもそもオツムの程度は。毎食のカロリーは気にしているのか。

下世話な詮索はすぐに頭の中から消え失せる。考える価値のないことだと思うからだ。なんというか思考する価値のない事柄が多すぎる。今日も、頭は不満を抱えて帰路に着く。たまには、高尚なことを考えたいんだ、それも、じっくりと。

何かしら思った方は、ちょっとひとこと、コメントを! 作者はとても喜びます。

わかりやすく投げ銭で気持ちを表明してみようという方は、天に徳を積めます!

新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

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