登場のとき、足下に
2017/08/22
画像は先日突然に火花を散らし、部屋の全てのブレーカーを落とした延長ケーブル。
その延長ケーブルはドライヤーに繋がれていて、火花が出たのは使い終わった直後だった。
シュッ、バチッ、バババチッ!
擬音は幼稚な文章になるからやめた方がよいと芥川賞作家の小説家になるには的な本に書いてあったんだけど、今は小説家志望ではないので心ゆくまで擬音を使う。
ハッ!? と僕が火花を認めた瞬間から続けざまに火花が二、三散ったかと思うとガチン! ガガチン! と全部で7つあるブレーカーが全て落ちて僕はアワワワワワワと慌てたのだった。
それは夜の11時前くらいの出来事だった。ブレーカーをひとしきりいじっても家中真っ暗のままで、僕は完っ全に何かが故障したとおもってどどどどどどうしよう!?と狼狽の嵐。
と10分後くらいに突然復旧して、換気扇のうなりや蛍光灯の白みがさんさんと戻ってきて、僕はアーヨカッタヨカッタと八十年代風に大仰に胸を撫で下ろしたってワケ。
ぎぎぎぎぎ、日常の描写はつまらん!日常は退屈なものと決まっているのだつまらん!つまらんぞ!
あ、火花で思い出した。僕が小学校の卒業アルバムに寄せた短い作文のタイトルは「火花さくれつ」で、それは家で一人で居た時のことを書いたものだった。
もちろんみんなは修学旅行や運動会といったいかにもな思い出を綴っていて、そんな中で僕の作文はかなりの異常を表していた気がする。
で、たとえば今、僕がちょっと変な事件を起こせば間違いなく精神鑑定に用いられるだろうと思う。と、そう思うとちょっと嬉しくなったりする、のが僕という人らしい。
広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。
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