熱に染み入る

  2017/08/22

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眠いと体が熱くなる。眠るともっと熱くなる。というのも電車で立ったまま寝てるとやたらと汗をかくからだ。汗が肌を伝う感覚がリアルに感じとれるくらい。
暑いといろんなことがどうでもよくなってくる。少なくとも僕はいろんなことがどうでもよくなる。
額を汗が伝えば気取ることをやめ、背中が濡れれば身だしなみを捨て、じきに言葉尻がだらけ、話の内容はとろけ、もーおまえらのことなんかどうでもいいよという気持ちになってくる。
でもまあ程度の差こそあれ、“どうでもよくなる”という感覚は誰にでもあるんだと思う。確か、夏の自殺は少ないとかいうデータがあった気がする。
また例によって膨らませて考えると、常夏の国に住んでる奴はたいてい陽気(勝手なイメージ)なのは、だいたいのことがどうでもいいから、どんぶり勘定で大らかに生きれてるってことなのかもしれない。勝手なイメージだけど。
さらにさらにそう考えると、地球温暖化で地球全体が常夏になったりしたら、意外にみんな楽しく暮らせるようになったりするんじゃないか。
って、なわけない。ジンバブエは暑いだろうに完全に不幸そうだ。大事なものってなんだろうね、と最近思う。自分の価値観を疑う気になれないことに問題があったりしそう、だ、な。

新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

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