指先で疑う

  2017/08/22

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声しか聞いたことがなかったけど、今日はじめて顔を見た。
ラジオのパーソナリティーの。
今日の今日まで日本人だと思っていた人が外人だった。こいつの声、なんだか好きだなと思っていたが、見方変わり、こいつ日本語うまいなあ、となる。
知らなくてよかったような気もするし、知ってよかったような気もする。
しかしまあとにかくは、もうそいつのことを今日得た情報の上でしか見ることができない。
知るということ。
何かをやってしまったら取り返しがつかないように、何かを知ってしまったらもう戻れない。
そう考えると、もっと“知る”ということに慎重になったっていいような気がする、気がするだけだけど。
高度100メートル、崖から崖への綱渡り。間違いなくひやひやする、どころか恐ろしくて動けないかもしれない。
で、またしてもそう考えると、本を読むとかいうことはとんでもなくエキサイティング。人と話すということはデンジャラスこの上ない。て、デンジャラスって単語、なんか恥ずかしいな。

新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

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