渋谷の人と人の多さと僕と

  2017/08/22

つまり、どこにも行きたくない-DVC00343.jpg

久しぶりに渋谷に来た。
夜ならばちょっと前に来たような気がしなくもないが昼間に来たのはいつぶりだろう。思い出せないくらい前であることだけはわかる。
画像は相変わらず描きつづけている毎朝一枚の自画像。いつまで経ってもうまくならない、と言いつつ、最近はなんとなーく前よりうまくなってきた気がしてたりする。前は大嫌いだったけど、今は5、6時間くらい本気でデッサンがしてみたいと思ったりも。
人というのはわからない。
前は印象派なんてクソじゃねーかと思ってたのに最近はマネとかかなり良いなと思ったりしている。オランピアなんか、ティツィアーノのウルビノのヴィーナスだったか、それからの構図拝借のことなど知ったらなんてイカした野郎だと思ってしまったじゃねーかバカヤロー、でも印象派ばっかり、古典メインの流れが崩れない今のシーンはやはりどうかと思う。
新しいものを見たくはないのか、なんて。
まあそれはさておき渋谷である。
こんなにも人が多いんだなあっていまさらながらに思った。ハチ公前に座り人海を眺めてるとなんだかウッと吐き気がしなくもない。
なんでこんなに人がいるんだ?
当たり前のようで当たり前じゃないような、いややっぱり当たり前なそんなことを思う。
この一人一人が毎日いろんなことをやってんだよなあ、と思うとそりゃ日本は動くし時代は流れるんだろうとつくづく思う。
この一人一人に家族がいて、友達がいてあるいは恋人がいて、学校があったり会社があったり悩みがあったりまあ喜怒哀楽がちゃんとあって、これまた当たり前だけど一人として適当な存在は無く、もれなくしっかり“人間”なんだよなあと思うとなんてこの世は混沌としてんだろう。
そりゃあこれだけの人が居れば人殺しも強盗も子供を虐待するやつも居るだろう。その逆のようなことをする人間もしかり。
何百万の環境、事情があるのだ。それを「人間はこうだ」とひとくくりに“まとめる”ことなど不可能に思える。幸も不幸もあるさ、なんて。
話は変わるけど、最近子供の虐待が多い。だからってわけでもないだろうけど、朝、自画像を描いてると、僕に子供ができたらどっかにスケッチに行くって趣味を作ろう、なんていつもの軽すぎる思いつきで思った。
思いつきだけど、想像すると美しくて幸福そうだった。
まあ想像の世界はいつも美しいんだけれども。
で、虐待の話。なんであんなかわいらしい子供を虐待するんだって、たぶん誰だって思うだろう。どこにも「虐待して当たり前だ!」って言い切れるやつは居ない気がする。「血を見たいんだ!」なんてやつはそうそう居るもんじゃない。最近チラ見した本で、泣き声がうるさいからと我が子をフライパンで焼いた親がいるらしい。どっか外国だったけど、人間は、神にも悪魔にもなるんだろう。
その口は「死ね」と言うし「愛してる」とも言う。その手は殴りもするし撫でもする
そんな口と手を、すべての人間が持っている。
そう考えると。

新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

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