欲を言えばそのまま消えてしまいたい
2017/08/22
まったく、胸の底から、次から次へと楽しさが込み上げてきて、口元のたわみを止めることができなかった。
人とのつながりを、ただただ僕の主観とわがままで、無駄だと、不要だと、何のためらいもなくどんどんと断ち切っていくという人生を送ってきた僕にとって、それは奇跡とも思われた。
楽しい、楽しい。
酒の中に飛び込むように飲み続け、終電を無視して、朝まで延々と飲む。
しかし限界が訪れ始めていて、帰る間際には楽しさに酔いの気持ち悪さ、吐き気が込み上げてきて、僕はさも小便に行くかのように普通に席を立ち、大のトイレでかがみ込んで嘔吐。中指をつっこみ嘔吐。その苦しさはなんだか懐かしい感覚で、そんな行為にすら、楽しい、という感覚があった。
いつからだろうか。
デートとか飲み会とか、デートならば待ち合わせて会った瞬間から、飲み会ならば乾杯したその瞬間から、そのひとときが終了して、一人帰路に着く自分を想像するようになった。
生き急いでいるのか、なんなのか。
すぐに過ぎ去ってしまう、終わってしまう、そんな焦りを、いつも感じてしまう。その時が永遠に続けばいいと願うけれど、そんな願いはいつも布団ににじむ寝汗となって夢と消える。
広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。
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