戻れない意義

  2017/08/22

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ダイエーで昆虫を打っていた。ワールドインセクトとか書いてあった。日本のスタンダードなカブトムシやクワガタは見あたらず、確かにワールドインセクトばかりが売られていた。ちっ、ばかが、と思ってしまう僕はやはり昭和生まれで、日に日に「昔の人」になりつつあるんだろう。
ひとぉーつ、昆虫は探しに行くものである。ふたぁーつ、昆虫は捕まえるものである。みぃーっつ、夏休みの終わりの虫かごの中はカブトムシゼリーとかスイカの皮とかだけが残っていて、「卵生んでるかもしれないね」とオスだけしか買ってなくても期待するべし。って、そんなの、一体いつの時代の話なんだろう。
あの頃はよかったと話すおっさんの頭の中をのぞいてみたい。
たぶん、いくら雰囲気のある遠い目でそんなことをつぶやいているとしても、頭の中にはぼんやりとした緑とか、土の感触とか、すごいのをつかまえた時の興奮だとかが、そう、ぼんやりと浮かんでいるだけだと思う。
他人から見た時に、それは素晴らしい時代でしたね! とは、とてもすぐには言えないような、ともすればみじめっぽいような時代の記憶。
だいたいのことって、個人的なことだよなあ、と思うのです。誰々が親友で誰々が恋人であれが親あれが兄弟これイトコ、と言っても、究極、個人であることを越えられない。
まあ、だからって悲しむこともしょげることもない。そこに関しては完全にみんな同じなんだから、むしろうっとうしいぐらい人とのつながり連帯感を感じて、ああ、寂しい寂しい僕はひとりぼっちでたまらない、とかなんとかぼやいてればいいよ。むしろ人との関係をゼロにする方がむずかしいのだから。

新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

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