感情の不明

最終更新: 2017/08/22

つまり、どこにも行きたくない-F1000937.jpg

なんか最近よく感じていることがある。
下ネタではない。
パソコンに最初から入っているような、サンプルというかデータベースというか、そういう写真を見ていて、最近思う。
いかにもな山、いかにもな緑、いかにもな川の流れ。言い換えればわざとらしいほど整ったきれいな風景や物。
雪は真っ白だし夕日は真っ赤で海は真っ青。人の手垢というものが微塵も感じられずいかにもこれぞ自然の美しさ!という感じの画像たち。
別にCGではないんだろうし、事実その画像にあるような美しき一瞬は確かに存在したんだろうけれど、どういうわけかそれらをマウスでカリカリカチカチたくさん見ていると、どうにも切ない、泣きたいような気持ちになってくるんである。
何が僕の涙腺を刺激しているんだか、自分でも不思議だ。
子供の瞳は澄んでいて、大人の瞳は濁っている。観念の問題ではなく紫外線を浴びることで眼は濁ってしまうものらしい。
以前に“光が汚れている”と感じたと書いたけど、それは子供のころに見ていた太陽の光はもっと神々しく清潔だったような気がするからで、いつからか僕の眼に映る光はどこかくすんでいる。
そんなこんなで泣きたいような気持ちになってしまうのかもしれない。
わざとらしく整い過ぎているその画像たちを見ていると、なぜだかなんとなく懐かしい。どの画像も知らない場所ばかりなんだけど、おかしな既視感があったりする。
けっこうな重傷だった僕のピーターパン症候群は最近ではすっかり影を潜めてるんだけど、まだいくらかはくすぶっているんだろうか。
と思ったけど、多分実際は母校への通学路なんかを久方ぶりに歩いてあああ懐かしいと胸がじんとなるような、そう、誰にでもあるノスタルジーに過ぎないんだろう。
というわけで華の金曜日。今日は絶対に飲み散らかさない、ぞ。

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新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

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