心底という平面をなでてみる

  2017/08/22

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子供はいいよなあ、と目を細める。じいさんが孫とかを見る眼差しをよく目を細めるというが一体に目を細めるってのはなんだろう、な。
くそ暑くても何ら構わず走り回り、先生先生と大声でさけんでいた。夏の日差しに焼けた肌は朽ちたサビの色にも似ているのに、その奥に潜むあり余るエネルギーを隠せない。
手に手にスケッチブックみたいな何かを携えて、どこに行くのかは知らないが大行列で、ああ、いいよな、と思う。僕もあんな群の中の一人だったはずなんだけどな。
そんなことを考えていると連鎖で色々思い出す。カブトムシとスイカが入った虫かごの中の匂いとか、花火をしたあとの火薬の残り香とか、まあ、夏にまつわるエトセトラ的な、いろいろ。
でまあ、今年はぬか漬けのにおいにまみれるってわけだ。キュウリに大根にすばらしくおいしかったのです。次は人参だと鼻息荒くスーパーに向かうのです。しかしまあ、たまには火薬のにおいをかいでみるのもいいかな、なんて。ノスタルジーに涙ぐみそうなんだけども。

新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

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