心底という平面をなでてみる

  2017/08/22

F1000199.jpg

子供はいいよなあ、と目を細める。じいさんが孫とかを見る眼差しをよく目を細めるというが一体に目を細めるってのはなんだろう、な。
くそ暑くても何ら構わず走り回り、先生先生と大声でさけんでいた。夏の日差しに焼けた肌は朽ちたサビの色にも似ているのに、その奥に潜むあり余るエネルギーを隠せない。
手に手にスケッチブックみたいな何かを携えて、どこに行くのかは知らないが大行列で、ああ、いいよな、と思う。僕もあんな群の中の一人だったはずなんだけどな。
そんなことを考えていると連鎖で色々思い出す。カブトムシとスイカが入った虫かごの中の匂いとか、花火をしたあとの火薬の残り香とか、まあ、夏にまつわるエトセトラ的な、いろいろ。
でまあ、今年はぬか漬けのにおいにまみれるってわけだ。キュウリに大根にすばらしくおいしかったのです。次は人参だと鼻息荒くスーパーに向かうのです。しかしまあ、たまには火薬のにおいをかいでみるのもいいかな、なんて。ノスタルジーに涙ぐみそうなんだけども。

新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

ご支援のお願い

もし当ブログになんらかの価値を感じていただけましたら、以下のいずれかの方法でご支援いただけますと幸いです。

Amazonギフト券で支援する
→送信先 info@tomonishintaku.com

Amazonほしい物リストで支援する

PayPalで支援する(手数料の関係で300円~)

     

ブログ一覧

  • ブログ「むろん、どこにも行きたくない。」

    2007年より開始。実体験に基づいたノンフィクション的なエッセイを執筆。アクセス数も途切れず年々微増。不定期更新。

  • 英語日記ブログ「Really Diary」

    2019年より開始。もともと英語の勉強のために始めたが、今ではすっかり純粋な日記。呆れるほど普通の内容なので、新宅に興味がない人は読んで一切おもしろくない。

  • 音声ブログ「まだ、死んでない。」

    2020年より開始。ロスのホームレスとのアートプロジェクトでYouTubeに動画をアップしたところ、知人にトークが面白いと言われたことをきっかけにスタート。その後、死ぬまで毎日更新することとし、コンテンツ自体を現代アートとして継続中。

  • 読書記録

    2011年より開始。過去十年以上、幅広いジャンルの書籍を年間100冊以上読んでおり、読書家であることをアピールするために記録している。各記事は、自分のための備忘録程度の薄い内容。WEB関連の読書は合同会社シンタクのブログで記録中。

  関連記事

東京ワンダーウォールに作品搬入

2009/05/16   エッセイ

190×121センチと馬鹿でかい作品をえっちらおっちら“電車”で搬入してきますた ...

お金の動くところ

以前の記事、彼はプロか、素人か。の後日談。 先日、ほんの冗談で受けた映画のオーデ ...

いかにも私がパンツ皇帝である

2008/05/17   エッセイ

という件名で送られてくるSPAMメールがある。迷惑は迷惑だけど、その件名は嫌いじ ...

穢れがすすがれる日は遠く(原発から解き放たれた、放射能という科学的あるいは心霊的な災禍)

東北は秋田を訪れた。空港からバスに乗って、山間部にある温泉地へと向かう。四月の半 ...

振り返らないフリ

2008/07/25   エッセイ

昨日の夜は雨が降りそうで降らなかった。降れとは思わないが、雨粒を落とさない空に不 ...

当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等の行為はご遠慮ください。

Unauthorized copying and replication of the contents of this site, text and images are strictly prohibited. All Rights Reserved.

Copyright © 2012-2024 Shintaku Tomoni. All Rights Reserved.